海外駐在から帰任してすぐ退職後の健康保険、どうすればおトク?

私はセミリタイアを目指しているので、遅かれ早かれサラリーマンを辞めることになります。その場合、年金や健康保険など各種手続きをすることになりますが、今回は健康保険について調べてみました。最終的には自分の住む市区町村に問い合わせる必要がありそうですが、事前にある程度知識をつけておき、どのようにするのが合理的か自分なりの答えを用意しておいた方がよいと思います。

日経新聞に参考になる記事がありました。そのうちの一部を引用します。

style.nikkei.com

退職した人は3つの選択肢がある。1つ目は勤務先の健康保険から国民健康保険に切り替えること。住んでいる市区町村の窓口で14日以内に手続きをする。保険料は前年の年収などを基準に市区町村ごとに決まる。

2つ目は勤務先の健康保険に「任意継続被保険者」として引き続き加入する。退職日の翌日から20日以内に手続きをする。保険料は在職中は会社が半分負担していたが、任意継続は全額自己負担となるので基本的に約2倍になる。加入できる期間は2年だ。

国民健保と任意継続の保険料のどちらが安くなるかはケースバイケースだ。国民健保の保険料は自治体の窓口、任意継続は健保組合で分かるので安い方を選ぶといい。

親や配偶者など家族が会社員なら扶養家族になる方法がある。家族の健康保険に入るので、自分で保険料を払う必要はない。ただし60歳未満の人が加入するには、年収の見込みが130万円未満といった条件がある。3つのケースいずれも「前の勤務先が手続きをしてくれるわけではない。早めに自分で動くことが大切」

私の場合扶養家族になれないので、国民健康保険への切り替えか、元の勤務先の健康保険に「任意継続被保険者」として引き続き加入するか、の2つの選択肢となります。また、このどちらが安くなるかはケースバイケースということでしたので、自分の場合はどうなるのか調べてみました。

辿り着いた結論は、おそらく国民健康保険の方がお得です。理由を説明します。

まず今回の条件として、海外駐在から帰任後すぐに退職し、東京に住むケースを想定してみます。ではそれぞれ保険料はどの位になるのでしょうか。

任意継続被保険者

27,888円/月 または、5,776円/月 

なんでこんなことになるのか。説明します。

任意継続被保険者の保険料は下記のように決定されます。

料額表はこちら平成28年度保険料額表 | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

ここでポイントとなるのが海外駐在直後で標準報酬月額がどのように計算されるのかということです。色々調べてみましたが、この点はちょっと微妙です。しかし、次の説明により、海外での報酬も標準報酬月額に算定される可能性が高いです。

日本年金機構の「海外勤務者の報酬の取り扱い」によると、次のように書いてありました。

・労働の対償として経常的かつ実質的に受けるもので、給与明細等に記載があるものについては、原則、全て「報酬等」となる。
・海外の事業所から支給されている給与等であっても、適用事業所(国内企業)の給与規定や 出向規定等により、実質的に適用事業所(国内企業)から支払われていることが確認できる場合は、その給与等も「報酬等」に算入することになる。

これにより、標準報酬月額が最大値の28万円になる可能性が高いと思われます。27,888円/月はその保険料です。一方、海外の給与がもし標準報酬月額に含まれないければ、最低額の5,776円/月となります。

それでは国民健康保険はどうなるのか見てみましょう。

国民健康保険

 2,152円/月

とても便利なサイトがあるのでそれを使って計算してみたいと思います。

保険料額は市区町村ごとに異なりますので、東京都の年間保険料が安いランキングから適当に選んで計算してみました。この計算機に、給与収入、年金収入、その他収入、固定資産税を入力することで保険料を計算することができます。いずれも0のはずで、そこから導きだされた保険料額がなんと25,700円/年(2,152円/月)でした。

安すぎる。。。

国民健康保険も前年の給与がポイントとなりますが、注を見ると「源泉徴収票の支払い金額を入力してください」と書いてあります。非居住者であった私にはそんなものないはずです。ですのでこれが正しいとすれば、国民健康保険の方がお得になるということになります。

このように、海外駐在生活に終止符を打ちセミリタイアをする際には、国民健康保険に加入する方がお得かも、ということが分かりました。もちろん上記のことは自分で調べた内容でありますので、何か盲点があるかもしれません。しかし、いつになるかは分かりませんが、知っておいて損はない内容だと思います。今後は年金や住民税についても調べて行きたいと思います。