先日個別株ポートフォリオ案第一弾をお送りしましたが、早速第二弾をお届けしたいと思います。
第二弾は、前から言っていたダウの犬戦略です。ここでは3種類のダウの犬戦略を紹介したいと思います。
参考書籍はこちら
ダウの犬
ダウの犬とは、ダウ平均採用銘柄の高配当トップ10銘柄のことを指します。この戦略は、ダウの犬10銘柄に均等分散投資し、一年後にその時の高配当トップ10と入れ替えを行うという極めてシンプルな方法です。しかし、この戦略がかなりの確率でダウ平均をアウトパフォームするということで人気のある投資手法の一つとなっています。ちなみに2017年4月2日時点でのダウの犬銘柄は下記の通りです。
- Verizon(VZ)4.74%
- Chevron(CVX)4.02%
- Phizer(PFE)3.74%
- Exxon Mobil(XOM)3.66%
- Coca-Cola(KO)3.49%
- Cisco Systems(CSCO)3.43%
- Caterpillar(CAT)3.32%
- General Electric(GE)3.22%
- IBM(IBM)3.22%
- Boeing(BA)3.21%
平均配当:3.60%
最新状況はこのサイトが参考になります
ダウの子犬
ダウの子犬とは、ダウの犬銘柄の中で株価が最も安い5銘柄を指します。ダウの犬戦略と同じくこの5銘柄に均等分散投資すると、ダウの犬をもアウトパフォームする可能性が高いという投資手法となっています。2017年4月2日時点でのダウの子犬銘柄はこちら。
- Verizon(VZ)4.74%
- Phizer(PFE)3.74%
- Coca-Cola(KO)3.49%
- Cisco Systems(CSCO)3.43%
- General Electric(GE)3.22%
平均配当:3.72%
最新状況はこちらをご参照ください
Small dogがYesになっている銘柄が該当します。
PPP
このPPP戦略はあまり耳にしたことのない方も多いと思います。これは、ダウの子犬銘柄の中で二番目に株価が安い銘柄を指します。4月2日時点ではずばりこれです。
- Cisco Systems(CSCO)3.43%
なぜ最も株価の低いものを選ばないのかというと、それは本当に危機的状況に陥っている可能性が高いからです。しかし、ダウ採用銘柄でそのような状況になる可能性は低く、実際に最も安い銘柄が高いパフォーマンスを上げるケースもあるそうです。ちなみにPPPとは、Penulitimate Profit Prospectの略です。このPPPのパフォーマンスは1973~1998年の間では最強です。ダウの犬投資法によると、PPPについて次のような言及があります。
なくても困らない資金と、度胸と、鉄壁の規律があるなら、歴史が指針になる限りにおいて、PPPは成功する可能性がある。
検討してみてはいかがでしょうか。
最後にダウの犬戦略にかかる手数料を見てみます。どの位の資産があればインデックスファンドを保有するよりコストが安くなるのでしょうか。下記は、年初の購入と1年後の入れ替え(売却)における売買回数を示しています。手数料は、HSBCの18ドル/回で計算し、保有コストは日本で販売されているダウ平均に連動する投資信託(iFree NYダウ・インデックス )の信託報酬0.24%を参考にします。
売買回数と手数料
初年度
ダウの犬→10回~20回(180~360ドル)75000~150000ドル
ダウの子犬→5回~10回(90~180ドル)37500~70000ドル
PPP→1~2回(18ドル~36ドル)7500~15000ドル
※二年目以降は銘柄入れ替え次第です。
売買回数について少し説明します。これは初年度のケースです。
まず購入するときにダウの犬なら10銘柄あるので必ず10回分(子犬なら5回)の購入手数料がかかります。そして、入れ替え(売却)の際に最大で10回手数料がかかるので、年間10~20回となります。もちろん、ダウの犬が総入れ替えになる可能性はほとんどないので実際の手数料はもっと低くなるでしょう。入れ替えは大体半分位が相場のようです。子犬もPPPも同様の手順で計算しています。
右の方にある金額は、この位の資産があればダウの犬たちを飼った方がお得かもね、という指標です。上記金額以上を運用するならば、投資信託よりもダウの犬たちを飼った方が低コストで済むよ、という意味です。インデックスファンドは売買手数料がかかりませんが、保有コストがかかります。一方、個別株は売買手数料がかかりますが、保有コストがかかりません。だから、資産額が増えれば増えるほど個別株の方が低コストで済みます。
実際は犬たちがダウをアウトパフォームすることが多いらしく、売買回数も上記より減るでしょうからもっと資産額が少なくてもダウの犬の方が合理的なのかもしれません。
ダウの犬戦略の肝は、高配当銘柄に投資することでまとまった配当金が得られることです。これを再投資することで複利効果が期待でき、パフォーマンスを押し上げる効果が見込めます。もし3000万円が手元にあるならその資金でマンションを買うよりもダウの犬たちを飼うことをおすすめします。家賃7~8万円相当のマンションを保有するのと同等以上の価値があります。
ということで、私の個別株ポートフォリオ案第二弾はダウの犬たちでした。