だれしも痛みを抱えることはあると思います。それは肉体的なものもあれば、精神的なものもあるでしょう。もし日々を快適に生きたいと望むならばできる限り早く、その痛みを取り除くべきです。
しかし、少し位の痛みなら我慢して放置しがちになります。確かに放っておけば収まる痛みもあります。筋肉痛や風邪による頭痛など原因が分かっている痛みであれば、数日休めば収まることも多いです。
一方、虫歯や何かの病気だと放っていても治ることはありません。この場合、治療を先延ばしにすればするほどその代償は大きくなっていきます。初期段階で対応すれば、すぐに治せたものが治せなくなったり、時間やお金がかかることはよくあることです。場合によっては取り返しのつかないことになることもあるかもしれません。
私は日本に帰ってきてから病院によく行っています。乳首のしこりの正体をつきとめにいったりもしました。
今は歯の治療を積極的に行っています。恥ずかしながら海外出向中ほとんど歯医者にいかなかったため虫歯だらけなのです。そして、歯医者に行くきっかけとなったのも痛みが原因でした。やはりどうしようもない痛みに襲われてから歯医者にいく。もうこれでは手遅れなことが多いんですけどね。
痛みのあった歯は以前治療したことのある歯でした。神経ぎりぎりのところまで虫歯が進行していたのですが、神経は残していた歯です。だから、ついに爆弾が爆発したか、という思いで歯医者に行きました。
「この歯は神経が死にかかっています。神経が死ぬ前に痛みが出ることがあるんです。完全に死んでしまうと痛みがでないんですけど、そうなるともっとひどい病気につながることもあるので注意が必要です」
痛みは身体からのアラームです。
この先生のコメントは、ある種の痛みに苦しむサラリーマンにも当てはまります。会社に毎日いくのが辛くないだろうか。会社に行こうとするとどこか痛くならないだろうか。
それは何かが死ぬ前のサインかもしれません。
もう少し耐えればその苦しみや痛みを感じることはなくなるかもしれません。しかし、それは本当に痛みの原因を解決したことになっているのでしょうか。もしかすると何かが死んでしまって感覚がなくなっただけかもしれません。
歯を治療したあとは、とても気分がよくなりました。まるで新しく生まれ変わった気分です。歯が痛いときは、冷たいものや熱いものを気にしたり、私の好きなハードグミが強く噛めないこともありましたが、今は何も気にせず食事ができます。全てがとてもおいしい。
痛みから解放された生活はこんなにも幸せだったのか。
もっと早く痛みと向き合っていればよかった。痛みさえなければこの世界はそんなに悪いところではない。グミがおいしい。
