ホワイジャパニーズピーポーという雄叫びがこだましたのは10月のことでした。
死ぬ前に一回でいいから東京都内のタワーマンションに住んでみたい。今までそんな豪華な家に住んだことはないし、天上から下界を見下ろすのはどんな気分なのか経験してみたいのです。
もしかしたら望外の幸福を手にすることができるかもしれません。そして、この試みは不動産の勉強にもなりうると考えました。
32歳独身サラリーマンは失うものがありません。だから、いまなら冒険ができます。中国語で冒険は「リスクを冒す」という意味になりますが、まさにリスクを冒してさまざまな経験ができるのがこの階級の強みです。
いろんな家に住んだ経験があれば、家を購入するときにより賢明な判断ができるようになるでしょう。もしそれがタワーマンションなら、そのメリットとデメリットを自身の経験をもとに判断できるというのは大きな強みです。タワマン階層ヒエラルキーを肌で感じているのといないのとでは雲泥の差があります。
タワーマンション買った後に、やべえしくった、とかシャレになりません。
一回借りて住んでみるというのは、リスクヘッジの役割も果たします。もし何も知らずに家を買ってしくじったとしたら、もう後戻りはできません。しかし、それが賃貸なら引っ越せばいいだけの話です。価値がないと思ったら家賃5万円の家に引っ越せばいいし、逆にとてつもない資産価値を感じたら購入を検討すればいいだけの話です。
思い立ったが吉日、私は東京のとある新築タワーマンションに目を付けました。
コンシェルジュ付きの壮大なエントランス、ジム、会議室、自習室などを完備、上層階にはバーラウンジが付いており、昼間は富士山の眺望が、夜は東京の夜景が楽しめます。
予想外に私を惹きつけたのはキッズルームです。キッズルームにテンションが上がるとはどういうことでしょう。というか、おじさん単体でキッズルーム使っていいのでしょうか。
まぁいいや、きめた。ここにしよう。
しかし、東京のタワーマンションともなれば、誰でも彼でも住めるわけではありません。家賃が高くなるので、入居審査のハードルが高くなります。
私は甘く見ていました。
たとえ家賃が20万円でも3000万円くらいの資産があれば、入居審査なんてちょろいもんだと思っていたのです。私は借金をしたことがないし、クレジットカードで滞納など一回もしたことがありません。だから入居審査なんて簡単にパスすると思っていました。
しかし、結果は不合格でした。
私は思わず叫んでしまいました。ホワイジャパニーズピーポーと。
家賃が20万円でも3000万円の流動資産があれば、150ヶ月分の家賃に充当できます。給料だってゼロではないし、株式投資していればそれなりに配当も入ります。
それでもだめなものはだめなんです。
海外はどうだか知りませんが、日本の入居審査の場合、家賃が月収の三分の一位に収まるのが妥当とされているそうです。つまり、家賃20万円だと月収60万円位ないといけません。フローが大事なんですね。それって結構ハードルが高いことだと思いませんか。
でも、私は諦めませんでした。
私たちの最大の弱点は諦めることにある。
成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回試してみることだ。
By エジソン
エジソンは数多くの名言を残しています。エジソンの言葉を信じて、私は少し安い別の部屋にエントリーしてみたのです。
するとどうでしょう。なんと結果はあっさりと審査を通過したのでした。
もうね、ホワイジャパニーズピーポーですよ。エジソンの言う通りだ。
不動産屋によると、審査会社によっても厳しいところとそうでないところがあるようです。または、ほんの少しの家賃の差が明暗を分けたのかもしれません。
もちろん、それなりの収入と勤め先は必要です。一部上場など知名度のある企業に勤めるサラリーマンであれば、審査を通過する可能性は結構高いそうです。
やっぱりサラリーマンはステータスですね。この特権階級は、使えるうちに使っておくべきです。
これでようやく東京の新築タワーマンションに住める権利を手に入れました。私の野心的な飽くなき欲求がまたもや勝利をもたらしました。
どんな人が住んでいるのでしょうか。家事代行頼んだらガッキーがきてムズキュンしたり、富裕層しかアクセスできない投資案件が舞い込んできたりするのでしょうか。
ここに住んだらいつでも筋トレできて理想的なからだをキープできるし、キッズルームで思う存分遊んでインスピレーションを得ることもできる。斬新な発想が次から次へと浮かんで、ブログがもっと面白くなるかもしれない。
いいことづくめです。
天気が良い日は富士山を、夜は東京の夜景でも眺めながら、ワイングラス片手にセミリタイア戦略を練るのも悪くない。
まとめ
サラリーマンのうちにいい部屋を借りておこう