プライベートバンカーの資産運用方法

 プライベートバンカー 驚異の資産運用砲 (講談社現代新書)という本を読んでみました。億万長者を目指すものとしては知っておいて損はない内容だと思います。

プライベートバンクを開設するためには、最低1億円程の資産が必要とされています。私なんかからすれば夢のような資産額ですが、プライベートバンクにお金を預けるとどのようなメリットがあるのでしょうか。

この本の帯には「元金5000万円で毎年500万円もリターン」と書かれています。なるほど、プライベートバンクにお金を預けると高い利回りが約束されるということなのだろうか。

ではいったいどのようにしてこのようなリターンを生み出すことができるのでしょうか。

 

元金5000万円で毎年500万円のリターンを上げる方法

その内容を一言で言ってしまうと「レバレッジを効かせて米国のハイイールド債ファンドを買う」です。

なんだそんなことかと思ってしまいました。それだったら他の方法を使って日本国内でも十分に達成可能だからです。

例えば、5000万円の元金を3倍レバレッジにしてFTSE100のCFDを取引すれば同じような効果かそれ以上を期待できます。FTSE100の配当金相当額で毎年500万円以上を稼ぐことができます。

この方法だったらプライベートバンカーにお金を預ける必要もないし、貸付金利もCFDの方が低い可能性が高いです。(最近金利が高くなっているので何とも言えませんが)

投資方法だけを見ればたいしたことのないように思えますが、本書で提案されている海外の生命保険のスキームついては興味深いと思いました。

 

本書では以下のようなスキームが提案されています。

⓪オフショア法人を設立する。

①海外の生命保険に加入する。

②自己資金を元にプライベートバンクから融資を引き出し、レバレッジを効かせて保険料を支払う。

③海外ファンドを運用し、こちらにもレバレッジをかける。

④融資の支払利息を運用利息で支払う形で相殺する。

⑤巨額の死亡保険金(代理人)または、巨額の解約返戻金(本人)を受け取る。

引用元:プライベートバンカー 驚異の資産運用砲 (講談社現代新書)

なせ海外の生命保険に加入するかと言うと、日本の生命保険と比べて死亡保険金が高く、巨額の解約返戻金がもらえるからです。また、日本と同じ保障を得ようとする時に保険金を安く済ませることができます。

しかし、基本的には日本居住者はこの海外の生命保険には入れないことになっています。このため日本居住者がこの保険に加入するためには、オフショア法人を設立し、この法人を契約者にする必要があるそうです。

多額の補償金や解約返戻金狙いで海外の生命保険に加入するといっても億単位の莫大なお金が必要になります。そこで活用するのがプライベートバンクの融資です。融資によって保険料の大半を用立てることができます。

なせプライベートバンクが海外の生命保険にそこまで多額の融資をすることができるのか。その理由はこの生命保険が多額の解約返戻金が返ってくる仕組みになっているからです。なんと契約当日に解約したとしても94%の返戻金が戻ってきます。生命保険の担保価値は、保険会社によって異なるようで会社の格付けがAAなら90%、Aならば85%のように決められています。

もちろん、プライベートバンクもタダではお金を貸してくれません。2018年1月時点でその利息は3.5%と決して低くはないです。融資してくれるのはいいけどこの金利を払うのも馬鹿になりません。

そこで出てくるのが先ほど出てきたハイイールド債ファンド運用です。自己資金を使ってこのハイイールド債ファンドを購入し、さらにこれを担保にさらにレバレッジをかけて受取利息の増大を図ります。そして、ここで得られる受け取り利息で借入利息を払うというわけです。

これが本書で紹介されているスキームの一部です。詳細はせひ本書を参照していただきたいですが、この他にもプライベートバンカーとは何か、非富裕層の運用方法についても書かれており参考になります。

 

非富裕層が行うべき運用法 

もちろん私も含め多くの人が資産1億円もないと思います。本書ではそういう非富裕層向けにも資産運用のアドバイスが書かれています。

それはみなさんもご存知のように非課税枠を最大限活用して世界株式インデックスをドルコスト平均法で買い付ける、というものでした。

資産1億円もこうした地道な資産形成の積み重ねだということです。私もまずは5000万円を目指して株をコツコツ積み立てていこうと思います。そしていつかはプライベートバンクにお金を預けられるレベルになれることを期待します。

まとめ

  1. まずは最低一億貯めないとね。
  2. 海外の生命保険を学ぼう。
  3. 効率のいい運用=レバレッジ?   

参考文献:プライベートバンカー 驚異の資産運用砲 (講談社現代新書)