熔けるを読んだ

カジノで106億8000万円を失った大王製紙前会長井川意高の熔ける を読みました。この人天才かもしれないと思いました。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 (幻冬舎文庫)

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 (幻冬舎文庫)

 

私はマカオに30回以上言ったことがあります。もちろんその目的はカジノでしたが、この経験は今の米国株投資に活かされています。

なぜそんな具体的な回数が分かるのか?

それはマカオでの博打記録をつけていたからです。当時は26歳~29歳でしたので、その年齢でマカオのカジノに通い続けた人間は激レアさんだと思います。

もちろん井川氏のような高額ベットをしていたわけではありませんが、独自のカジノ哲学を持って取り組んできました。

だから、この本に書いてあることはその辺の人よりも理解できているつもりです。

 

この本を読んで、井川さんは文才があると思いました。私が気に入った個所を引用します。

運と偶然性のみが支配するバカラの勝負に、私は全生命を賭けて挑んだ。目の前に積まれた20億円によって、カジノ史上だれも成功させたことがない奇跡を呼び起こすのだ。そして私は伝説をつくる。目の前で開きかけた地獄の釜の蓋を、我が強運によって轟音高らかに閉じて見せる。

だがひとたび開いてしまった地獄の釜の蓋は、二度と閉じることはなかった。48時間の死闘が終わったとき、私は煮えたぎる溶鉱炉のごとき奈落で溶解していた。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 (幻冬舎文庫)

これは名文ですね。毎朝音読したいくらいです。

ちなみに地獄の釜の蓋というは「VIPルームの入り口」の比喩です。

この地獄の釜の蓋という表現が好きなのか、気に入ったのか結構出てきます。

次はこれです。

神のみぞ知る「揺らぎの法則」を、なんとか自分のものとして支配したい。私は不遜にも、人間界から天界の領域に土足で踏み込もうとしていたのだ。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 (幻冬舎文庫)

この「揺らぎの法則」は、カジノをやる人なら誰しも皮膚感覚で感じ取ることでしょう。

確率論だけでは説明できない事象がカジノでは発生します。

だれかが操作しているのではないかと思うほどです。ある人はそれを「マジックモーメント」と呼びます。明らかに勝ち負けの流れがあるのです。

この「揺らぎの法則」さえ支配できれば、、、という浅ましい欲望に取りつかれてしまうのも無理はありません。私も例外ではありませんでした。

私はこの「揺らぎの法則」を研究するフィールドワークに取り組んでいました。

 

私はルーレットが好きです。

一見すると完全に運任せに思えるルーレットも奥深いものです。

それはまるでマグロの大群が押し寄せてくるように、ある一瞬のタイミングで同じ数字が急に当たり続けます。

しかも毎回。それは到底確率論では説明できません。

  • 黒10回出たので赤に大金を賭けたら、0が三回連続で出た。
  • ずっと26に賭けていて、32に浮気した瞬間26が4回連続でた。
  • 席を立った瞬間、賭け続けた数字が当たった。

おひほじょにょ。

声にならない声が出る。

ま、こういうことは日常茶飯事ですね。

私の戦法はひたすら自分の好きな数字「26」に賭け続けるというものです。

Don't move戦法です。

カジノに行くとひたすら「26」に賭け続けました。それって面白いの?と思う人がいるかもしれませんが、とても面白く、勝率も悪くないです。

 

狙ったところにボールが吸い込まれるあの瞬間。

アドレナリンとドーパミンが噴出する。

その瞬間は必ずやってくる。

起死回生の一発。大逆転の一発。

もう残すところはあと1ベット。震える手で26にすべてのチップを捧げる。

ゆっくりと重力に負けてルーレットに身を委ねる白球。

あぁ、これで終わった。と思った瞬間

球がはじけ飛んで方向を急に変えると

そのまま26に吸い込まれていった。

おひほじょにょ。

 

先日カジノ法案が可決されて賛否両論あるようですが、私はカジノから学ぶこともあると思います。

非難する前にやってみなはれ。やらなわからしまへんで。

この世の中には理論では説明できないことが生じうる。

「揺らぎの法則」が支配する世界。

私が資産を増やすことができたのもカジノのおかげかもしれません。

これからもフィールドワークは続きます。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 (幻冬舎文庫)

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