インデックスファンドの保有コストにこだわりすぎる人たちへ

投資ブログを見ていると、どこそこのインデックスファンドの信託報酬が安くなったという情報が定期的に入ってきます。インデックスファンドやETFを保有する場合は、この保有コストを出来る限り抑えるというのは鉄則です。しかし、木を見て森を見ず状態になっていないか気をつける必要があります。

例えば、保有資産1000万円の人が信託報酬0.1%にこだわってもこの差は年間10000円です。毎年0.1%減るならまだいいですが、そんなことはあり得ません。信託報酬で毎年年間10000円減らす労力(可能性?)と日々の生活で年間支出10000円減らす労力はどちらが楽でしょうか。または、年間10000円収入を増やす労力と比べたらどうでしょうか。インデックスファンドの信託報酬を抑えようとファンドを買い換えたり、ETFの売買手数料を出来る限り抑えようと証券会社を転々としたりするよりも、その分節約したり、収入を増やす努力の方が簡単なこともあるでしょう。

もちろん、コストをできる限り抑える努力は必要不可欠です。特にインデックスファンドはパフォーマンスに大きな差が出るものではないのでコストは安いに越したことはありません。しかし、物事はある段階で飽和状態になります。その飽和状態にあるにも関わらず、単一的なものの見方に固執しすぎると本質を見誤る恐れがあります。インデックスファンドやETFの信託報酬にこだわりすぎるのはもはやその領域に差し掛かっている気がします。

一度ご自身で投資にかかるコストの絶対額を計算してみると良いと思います。大抵の場合、投資コスト削減の前に他にもすべきことがあるなと思う人がほとんどだと思います。

投資の目的は資産を増やすことです。資産を増やすには、収入を上げる、支出を下げる、運用利回りを上げるの三つの鉄則があることを忘れてはいけません。投資ブログではありますが、私も収入を上げる努力(サラリーマンドロップアウト寸前でこれはもうかなり危うい)、支出を下げる努力(これも結構適当)も怠らずにバランス良く資産形成に励んでいきたいと思います。