大学生は就活のために一生懸命TOEICを頑張る人が多いと思います。もちろん、それも大切ですし、会社に良いアピールとなりますが、私はできれば英検1級取得を目指すべきだと思います。
その理由は「社会的な問題について英語で論理的に意見を述べる総合的な学習ができる」からです。
私が半年間英検の勉強に取り組んで、特に良い勉強になったと思うのは、ライティングとスピーキングの勉強(訓練)です。いまさらですけど、そう思います。
英検1級の良いところは、お題が比較的身近でタイムリーな賛否ある社会的なトピックであることです。このため、社会問題の基本的な知識も当然求められます。
つまり、社会問題の賛否、メリット、デメリットを総括的に学ぶ機会にもなるのです。
例えば、以下のようなトピックがあります。
- 移民を受け入れるべきか。
- CEOの給料はもらいすぎか(特にゴーンとか)
- 日本の人口減少は問題になるか。
- 自由貿易の是非。
- 飛び級を推進すべきか。
- 原発の是非。
- メディアの今後について。
- 高額所得者はより高い税金を払うべきか。
例えば、自由貿易って何?で、何が問題なの?って聞かれたときに「うぐぐぐ、、」となりませんか?
原発反対の意見が多いけど、原発がなくなったとしたら、日本にどんな問題が出てくるか知ってる?
「うぐぐぐ、、、」
それならまず知識の習得からやるべきです。
分からないことを素直に認め、知識の欠損を自分で補う。これが勉強です。
ネットで簡単に調べられますのでやってみてください。
これも賛否両論ありますが、「比較優位」の考え方は参考になります。
次は原発です。
原子力発電のメリットとはなんですか?
原子力発電は、安全の確保を大前提に、メリットとして大きく(主に)3つの点があると考えられています。
<燃料の安定供給が可能>
<発電時にCO2を排出しない>
<電気料金の安定に役立つ>
とかね。
同じ要領で調べていって、「これは、、!」と思う意見を取り込んでいく。
詳しく知りたいと思ったら、本を読んでみてもよいでしょう。これが理想的な学習スタイルです。
そして、今の日本の状況を鑑みながら、自分で勉強してポイントを整理するとなおよいです。ニュースの見え方もがらりと変わってきます。
私はこの過程を通じて、そもそも社会問題に関する十分な知識もないし、明確な自分の意見がないことに気が付きました。
恥ずかしながらそれが大きな発見でした。
多分他の人もそうだろうと思います。
もちろん、社会問題一つ一つについて、自分の意見を持たなければいけないなんてことはありません。そんなことしなくても生きていけます。
しかし、様々な事象のメリット、デメリットを吟味して結論を下すというプロセスは極めて重要です。
単純に「楽天モバイルのスーパーホーダイSのメリット」についても同じ思考方法が求められるし、それができるかできないかで月数千円を節約できるかどうかにもかかわってきます。
英検1級のライティングやスピーキングはその良い訓練になります。
今直面している問題の利点や課題を把握し、その解決方法を模索する、という問題解決の基礎を学ぶことに意義があります。しかも英語でね。
そこで、英検1級の参考書を合格者のみなさんはお勧めされると思うのですけど、私はまず日本語で情報を仕入れてみることも大切だと思っています。
おすすめはこの本です。

日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門 もう代案はありません
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これは10年近く前の本になりますが、日本が抱える諸問題について、明確にわかりやすく、論じているのでとても参考になります。
今でも十分通用する内容ですし、何なら自分で最新状況を調べてみるとよいでしょう。
もちろん日本語で書かれていますが、まさに英語のエッセーライティングのお手本となるわかりやすい文章と説明です。
意見については当然賛否両論あるでしょうが、読む人を「ふむふむ、なるほど!」と思わせる。
残念ながら、日本では論理的でわかりやすい文章を書く練習をあまり重視されてないような気がします。少なくとも僕はやった覚えがない。
しかし、これこそ世界で求められる汎用性の高いスキルです。
だから、英語でできるようにしておくとよいです。
英語読める人は多いし、英語でできたら、日本語でもできるよ、きっと。
ということで、英検1級なんかレベルが高すぎる、取っても意味がない、などネガティブな意見もあることは承知してますが、私はこのエッセイライティングの問題に取り組むのは大いに価値があると考えています。
グローバルに活躍したかったらこのスキルは不可欠です。
英語が好きな方、得意な方は、英検1級に挑戦してみてはいかがでしょうか。