私は昨年末に会社を辞めました。セミリタイア状態にありますが、この生活をして困ったことがあります。
困るというかちょっとめんどくさいなとか不便だなと思うことですね。
それは、自分のステータスを説明しなければならないときです。
まぁ大体の問題がほぼこれに行きつきます。
今まで私は一部上場の企業に勤め、海外経験もあって、自分で言うのもあれだけど、まともでそれなりに優秀な人間だと思われてきました。
しかし、たまに昔の知り合いなどに会って、今は働いていないことを説明すると、途端に変な雰囲気になってしまいます。
「牛くんのことだから、いろいろ考えてやっているんだろうけど、、、」
なんて言われるけど、同情というか、心配というか、そういう系の雰囲気を感じ取ることができます。
明らかに「え?大丈夫?」的な感じです。
「うん、君よりは絶対に大丈夫だよ」といつも心の中で言っていますが、今の状況を昔の知り合いに説明するのがめんどくさくなってきました。
喩えるとこんな感じです。
先日見たテレビ番組でカラスの雑誌を特集してました。その会合でカラス好きの小学生の女の子がこんなこと言ってたんですね。
「カラスが好きと言うと、変な感じになるから、とりあえず猫が好き、と言ってる」
分かりますか?
私も今の自分の状況を説明するのがめんどくさいから「とりあえず会社員」とか言っておきたくなります。そうすればみんな安心するからです。
次に女性との出会いの場が激減します。
これまでは会社というところで、それなりに女性と出会う機会がありました。あのまま会社というものを続けていれば、彼女もできていたかもしれません。
しかし、今はその出会いは全くありません。だから自ら創造するしかないのです。
そこで立ちはだかるのが、私のステータスです。
「はじめまして、〇〇という会社で、ロボットの海外営業をやっています」
なんて言えたらいいんですが、今はその看板がありません。
私くらいの年齢で出会いを求める女性は確実に「収益性」や「安定性」を重視しますから、私のような人材は書類選考にも通らないことが分かってきました。
こういう人材こそが長期的に生存できるかもしれないのに、、
実際に女性を紹介すると言ってくれた友人から一回も紹介されたことはありません。きっと書類選考で落とされたのでしょう。
「収益性」は大事です。
しかし、会社だけに「収益」を頼っているのは不安だと思いませんか?
会社なくなったら終わりだよ。
だから私は会社抜きで盤石な財務体制を作ろうと努力しています。
そのうえで、共通の趣味とか私の一芸を評価してくれる方がいいですね。
あなたのその無尽蔵の持久力が好き。とか
一緒にゆっくりモンブランの麓をハイキングしてくれるフランス美女とかが理想です。この方向性で少し模索してみます。
最後は、海外に行った後、日本に入国するときの話です。
携帯品・別送品申告書に必要事項を記載しますが、これにも「職業」ってあるんですよね。これも嫌なんです。なんで職業かかなあかんのん。
私のパスポートは増刷しなければならないほど中国のハンコで満たされていて「無数の中国のハンコ」+「職業:無職」の相性が良くない気がしています。知らんけど。
前も書いたかもしれないけど、一時期金塊の密輸をかなり疑われましたからね。
荷物開けさせられ、ボディチェックを受ける。
「金塊とか持ってませんよね?」
って「はい、持ってます」とかいうやついるんかいな。
金た◯なら持ってるけど。
要するに、自分のステータスが会社員でないと、いろいろめんどくさいという話です。
職業を問われるのがめんどくさい。
オリンピックボランティアの時も会話で「どんなお仕事されてるんですか?」なんて言われて、それだけで考え込んでしまいました。
あぁこの世の中は何か「お仕事」をしていなければならないのか、と。
なんかいちいちその説明するのも疲れるな。
その「お仕事」にもいろいろあるんだけど「会社員」と言っておくのが簡単でいいです。
それを言っておけば、人々は簡単に安心してくれる。そうじゃないと安心してくれません。
これね、洗脳に近いと思います。まぁ合ってる部分もあるけど。
「カラスが好きと言うと、変な感じになるから、とりあえず猫が好き、と言ってる」
このコメントは的確に日本社会をよく表しているな、と思って感銘を受けました。