英検1級とTOEIC900点の相関性について

英検1級とTOEIC900点はよく比較されます。英検1級受かる目安はTOEIC900点位必要だとかですね。実際どうなのでしょうか。

私が初めて英検１級に受かった時（10年前）のTOEICの点数は930点でした。

そして、先日英検1級に受かった時のTOEICは910～940点です。

このように英検1級とTOEIC900点は、相関があるように思えます。

しかし、私の考えはこうです。

英検1級に受かるためには、TOEIC900点レベルの下地が必須なんじゃないか？

TOEIC900点レベルの英文法知識＋速読力＋聞き取り力が備わっていないと、英検1級レベルの問題（特にリスニングとスピーキング）に対応できないんじゃ、、？というのが私の考えです。

だから、英検1級＝TOEIC900点というよりも、英検1級に受かる人はたいていTOEIC900点位の実力があると考えた方がしっくりきます。

英検１級→TOEIC900点は成り立つけど、

TOEIC900点→英検１級は成り立ちにくい

多くの人がブログなどに書かれている通り、英検1級の方がTOEIC900点より難しいです。

その理由は、いろいろあります。

TOEIC900点くらいあれば、英文法は一通りマスターし、長文は速く正確に読め、リスニングもヒントがあれば、ほぼ完ぺきに理解できるレベルと言えます。

これで十分なんですが、逆にこの位の実力がないと、英検1級の問題には太刀打ちできないのだと思います。

特に英語圏での生活経験がない日本人（私）にとって難しいのは、リスニングとスピーキングだと考えています。

二つとも、英語の総合力が必要という共通点があります。

リスニングは、英語の聞き取りができるだけでは十分ではありません。

英文の聞き取り以外にも、英文の分量が多く複雑になれば読解力（＋速読力）も問われるからです。

そして、設問を素早く正確に読み、素早く解答が必要。

TOEICは、リスニング問題を聞く前にヒント（質問文）を見ることができますが、これができると難易度はぐっと下がります。

しかし、英検1級はほとんどの問題でTOEICのように質問が印刷されていません。そして、長いです。いつ終わる？いつ終わる？とドキドキします。

選択肢から想像するという手法もありますが、正直むずいです。

しかも、解答をマークする時間も十分ではないので、設問の速読＆即理解＆正確な聞き取りというマルチタスクが求められます。

あぁこれ、まさに総合力ね、と思いました。

リスニングでありがちなのは、設問の選択肢を時間内に吟味しきれないパターンです。

選択肢を読み切れず、解釈が不十分で繰り返し読んでしまう。

それで次のリスニングの問題が始まっちゃって、肝心な最初の部分を聞き逃す。

そのスパイラル。

１級受験者の方は、あぁ、あるある。となってることでしょう。

これがTOEIC900点位のレベルが下地にないと、１級のリスニングが厳しいと考える理由です。（下地にあっても僕はむずいと思う）

実際は英検の１次試験を突破するだけなら、英単語とライティングを頑張ればOKです。

ただし、リスニングが苦手だと二次のスピーキング試験は、以下の理由でさらに不利になります。

リスニング力と発音の正確性は、相関があります。

正確な単語の発音を知らなければ、英単語を聞き取れないからです。

これは同時にリスニングが苦手だと、自分の発音も正確ではない可能性があることを意味します。

１級の二次試験では発音の配点もあるので、発音が正確ではないと、減点される可能性があります。

次に、リスニング力が十分ではないと、試験官の質問が聞き取れないリスクもあります。

質問を理解せずに的外れな回答を述べても、得点になりません。意外とこのパターンで失点したり、パニックに陥る受験生が多いのではないかと思われます。

まぁ他にもスピーキングはエッセーの即興的要素もあるし、ほんとにむずいです。

このように、英検1級に合格するためには、TOEIC900点レベルの下地が必要で、その上に英検1級に求められる単語やライティングやスピーチなど、その他必要な学習が求められると考えます。

何を求めるかによって、どの試験を受けるのか、何を目標にするかは変わってきます。

就職ならTOEIC900点で十分です。

しかし、英語でなんかしたいということであれば、英検1級を目指すのがいいかもしれません。

まずはTOEIC900点を目指して、余裕があったり、興味があれば、英検1級を目指す流れがいいのかなと思っています。