私は趣味で英検1級を受け続けています。個人的にはTOEICよりも受ける意義はあると思っていますが、今回はその理由について説明します。
英検1級を受験してよかったと思うのは、毎回新たな知識が得られるからです。
なので、英語を通じて教養を付けたい社会人におすすめです。
英検を通じて、普通に生活していてはなかなか得られないインプットを得ることができます。
今回のリーディングの長文問題、ライティング、リスニングからいくつか例をピックアップしてみましょう。
Mouse Utopia
人口密度が増せば必ず暴力が起きる──。この考え方は現在でも広く信じられている。その根拠は,1960年代のネズミ(ラット)を使った実験結果に基づくものだった。狭い空間にネズミの群れを入れたところ,ネズミは中央に置かれた餌箱に群がり,殺し合いをし,最後には共食いを始めたというのだ。このショッキングな報告は,たちまち学者の注目を集め,ネズミの行動は人間にも当てはまるという類推が通説となっていった。
しかし,その後のさまざまな研究から,人間やチンパンジー,アカゲザルなどの場合,過密は暴力に結びつかないことがわかってきた。霊長類では,混雑状態になると,他者との接触をひかえたり,大きな声を立てて周囲を刺激しないように行動を抑える傾向が見られる。
これは興味深かったですね。Scientific Americanの記事が基になっています。
混雑状態になると、他社との接触をひかえたり、大きな声を立てて周囲を刺激しないようにするというのは思い当たるところがあります。
Gall Wasps
Gallは虫こぶで、植物組織が異常な発達を起こしてできるこぶ状の突起のこと。ハチなどの寄生によってできるんだとか。
しかし、どんなきっかけでそんな風に進化したのか謎ですね。本当に奇跡です。最近進化系にハマっているので気になりました。
結構気持ち悪いので、耐性がない人は虫こぶを検索するのはやめておいた方がいいです。
Vietnam Veterans and the "Spitting Myth"
The Spitting Imageという本がテーマになっています。
ベトナムのベテランと社会学教授のJerry Lembckeによる本です。この本は、アメリカの兵士たちがベトナム戦争から帰国したときに反戦デモ隊に襲われ、侮辱されたという広く信じられているが歴史的に不正確な都市伝説の分析である。
大学の授業で読まされそうな本ですね。
The Rise of Dataism
ハラリさんのデータイズムの話ですね。背景知識があったらだいぶ違うと思います。
この本のサンプルしか読んでいなかったので読んでみようと思いました。
Forensic Dollhouses
法科学のドールハウス。これはやばいです。興味ある方は調べてみてください。
要は、ドールハウスで犯罪現場を再現しているんですけど、かなりリアルなんです。海外ドラマでも犯罪科学ものはいろいろやっているので、今度試しに見てみようと思いました。
ここまでがリーディングのトピックです。
次はライティングです。テーマは「宇宙探査はコストに見合うか」についてです。
これなんかもJAXAのホームページ覗いてみるとヒントがあります。
JAXAは、人類の活動領域を月をはじめとする太陽系の天体へ拡大するため、国際協力のもとで宇宙探査計画に積極的に参加してきました。
国際宇宙ステーションの完成により、宇宙は私たち人類にとって、生活や仕事の場になりました。
生命科学、宇宙科学、技術開発などの分野で数多くの成果を上げています。
今後はさらなる産業振興や技術イノベーションの促進、外交と国際平和、教育・人材育成など、様々な貢献も期待されています。
ネットでかなり詳細なプログラムやミッションとかも書いてあるので、これをちょっと読んでみるだけでも勉強になります。
リスニングは記憶が薄れてきているので一つだけ。
たしかSuperforecastingというのがあって、なんだそれ、となったのを記憶しています。
多分これですね。早速図書館で借りてきました。
超予測力―ー不確実な時代の先を読む10カ条 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
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計2万人以上のボランティアに市場動向から政治情勢まで、
さまざまな領域の未来予測をさせた結果、
抜群の成績を誇る「超予測者」が約2%存在することが判明。
彼らの思考法やスキルはどこが違うのか。
どうですか?面白そうじゃないですか?
このように英検1級の問題は、幅広いジャンルから最新のトピックまでカバーされているので普通に楽しめます。
何だそれ、知らなかった!というのも結構あります。
だから、英検1級で気になったことを調べてみるだけでもかなり教養は身についていくのではないかと思われます。
TOEICは受けても絶望的に疲れて終わりです。問題用紙も回収されるから自分がどこで間違えたかかもよく分かりません。一種の忍耐トレーニングと言えるでしょう。
一方、英検は新たな知識を得られる、知的好奇心をかきたてられるという点で優れています。
英検は、英語で情報を収集したいビジネスパーソンにおすすめな英語試験ではないかと思いました。