半導体製造装置株でポートフォリオを組む

半導体は今後も需要が増えていくので、当然半導体製造装置の需要も増えていくと思われます。だから、半導体製造装置メーカーのポートフォリオを組むのも面白いと思いました。

私たちのスマホやパソコンなどに使われている半導体は、どんどん複雑になっており、それを作る装置もどんどん高性能化されています。

このため、参入障壁がめちゃくちゃ高いです。

マスクのように装置と材料を買ってくれば、大量生産できるというものではありません。

だから、中国も自分たちで作ろうとしていますが、かなり苦労しています。恐らく最新世代からだいぶ遅れを取っているのではないかと推測します。

要は、良い半導体製品を作りたかったら、最高の装置が必要になるということです。

米国製の半導体製造装置を使えなくなった中国はかなり厳しいでしょう。

なので、主要な半導体装置メーカーを抑えておけば、ある意味安定したリターンを見込める気がしなくもなくもないです。

実際、主要な半導体装置メーカーを5社が大部分のシェアを握っています。

半導体の需要が増えれば、いずれかの装置メーカーに必ず受注がくるようになっているので、売り上げ増に伴う株価上昇を漏らすことがありません。

  1. Applied Materials
  2. ASML
  3. 東京エレクトロン
  4. Lam Research
  5. KLA

この5社だけで半導体製造装置の全売上約6兆円の8割ほどを占めています。

あまり聞いたことがないメーカーばかりだと思います。

特に最近では半導体回路をシリコンウエハーに転写する工程でEUVという次世代テクノロジーが注目されています。

その関連装置で独占しているのがオランダのASMLという会社です。

株もかなり上がってきています。

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EUVが普及すると、別の製造工程が減ったりして、他の装置メーカーの売り上げが落ちる可能性もあります。

また、半導体の需要が落ち込んだ時には一気に売り上げが落ちるリスクがあります。

しかしそれでも装置メーカーには底堅い収入源があります。

なぜなら、出荷した装置から新たなビジネスが発生するからです。

例えば、消耗品の追加発注や部品の交換、場合によっては装置の改造など多くの保守作業が必要になってきます。

装置の改造や部品交換などを「フィールドソリューション(FS)」と呼ぶ。特徴は安定収益を見込める点だ。半導体メーカーは市況悪化にあわせ新規投資を減らしても、工場の稼働率は一定水準を維持する。回路の微細化などで複雑になる半導体の製造を安定させるには装置メーカーの協力が欠かせず、FS事業は不況期での安定した収益源になる。

分かりますか?

装置を出荷すればするほど、そのメンテナンスに必要な作業や部品がたくさん出てきます。

これも無料提供というわけにはいきませんから、それでまた儲けることができるのです。ぼろ儲けですね。

つまり、半導体装置トップメーカーは、自社装置をたくさん出荷することで、ワイドモートを作り上げているのです。

もちろん、新規装置の販売が売り上げの大部分を占めています。

しかし、上記のような主要な装置メーカーが今後も半導体デバイスメーカーに多くの装置を供給し続けるはずです。

それに伴いFS事業も増えていくことは間違いありません。

したがって、半導体製造装置メーカーポートフォリオは、結構いい感じなのではないかと思いました。

個別株を封印してしまいましたが、ふとこうしていろいろ買ってみたくなります。