適応的市場仮説について勉強を始めました。まだちょっとしか読んでいないので、全貌はまったくつかめていませんが面白そうです。

Adaptive Markets: Financial Evolution at the Speed of Thought
- 作者:Lo, Andrew W.
- 発売日: 2019/05/14
- メディア: ペーパーバック
適応的市場仮説は、効率的市場仮説と対比する形で提案されています。
まず、効率的市場仮説とは、以下の通りです。
Efficient markets mean that there's no such thing as a free lunch, especially on Wall Street: if financial martket fully incorporate all relevannt information already, trying to beat the market is a hopeless task. Instead, you should all put your money into passive index funds that diversify as broadly as possible, and stay invested in stocks for the long run.
Adaptive Markets: Financial Evolution at the Speed of Thought
効率的市場とは、タダめしなんてものはない、中でもウォール街にはぜんぜんないという意味である。金融市場で見られる価格が関連する情報をすべて織り込んでいるなら、市場に打ち勝とうなんて試みに望みはない。むしろ運用資金は全部パッシブ運用で可能な限り幅広く分散投資するインデックスファンドに預け、長期にわたって株式に投資しておくべきだということになる。
いかがですか。私の投資方針は、この説に支えられています。実際にほとんどの人は、この通りにしておいた方がリターンが高くなると思っています。
しかし、金融市場が完全に効率的かというと必ずしもそうではないというのが個人的な考えです。
例えば、以下のVTIのチャートを見てください。
この急落と急騰は、効率的市場仮説で説明がつくのか分かりません。
効率的だからこうなったのか、効率的ではないからこうなったのか。
個人的には効率的ではない要素が紛れ込んでいるような気がしています。
つまり、効率的市場仮説だけでは説明できないこともあるということです。
なので、様々な投資理論を勉強しつつ、新たな枠組みも学ぶという意義で本書を手に取りました。
適応的市場仮説が面白いと思ったのは、生物学や進化論の洞察も参考にしていることです。
The adaptive Markets Hypothesis is based on the insight that investors and financial markets behave more like biology than physics...
it implies that the principles of evolution-competition, innovation, reproduction, and adaptation-are more useful for understanding the inner workings of the financial industry than the physics-like principles of rational economic analysis.
Adaptive Markets: Financial Evolution at the Speed of Thought
適応的市場仮説は、投資家や金融市場は物理学よりもむしろ生物学のセンで行動するとの洞察にもとづいている。(中略)
進化の原則ー競争、革新、繁殖、そして適応ーのほうが、合理性にもとづく経済分析の物理学みたいな原則よりも、金融業界の内部構造を理解するにはずっと役に立つと言っていることになる。
何か面白そうですよね。
分野を超えた様々な理論を総動員して、金融市場を解き明かす。
進化論は個人的には好きなので、これがどのように金融市場の理解に役に立つのか本書を読んで勉強しようと思います。
また何か発見があったら報告します。

Adaptive Markets: Financial Evolution at the Speed of Thought
- 作者:Lo, Andrew W.
- 発売日: 2019/05/14
- メディア: ペーパーバック