エフォートレス思考というご本を読みましたので、感想文を配信いたします。ご査収の程、よろしくお願い申し上げます。
この本を読めば、努力を最小化して成果を最大化する方法が分かります。
みなさまも仕事やプロジェクトなど日々取り組んでいることがあると思いますが、大事なことをより簡単にするためにはどうすればいいのか、悩んでおられることと拝察します。
そのコツが本書には散りばめられています。
本書は3つのパートに分かれています。
PART1 エフォートレスの精神
ー頭のガラクタを片付けて、余裕のマインドを手に入れる。
PART2 エフォートレスな行動
ーもっとも効率のいいポイントを見つけて、余裕で最高の成果を出す。
PART3 エフォートレスのしくみ化
ー行動を自動化し、成果が勝手についてくるしくみをつくる。
主に上記のパートでそれぞれの具体例が紹介されており、なるほど、それは本当にその通りだよね、と思ったことがありました。
その中でも特に印象に残ったパートを1つ紹介します。
一言でいえば、「上限を決めよ」ということです。
勉強も仕事もそうですが、同じ1時間でも捗るときとそうでないときがあります。
私の日々の執筆作業もそうです。少し作業を始めて気分が乗ってくるとすらすらと筆が進みますが、作業が1時間を超えてくると一気に効率が下がります。
このように、あるポイントを超えると努力の量が結果に結びつかなくなり、むしろパフォーマンスが低下します。
経済学ではこれを「収穫逓減の法則」と呼ぶ。入力の量が一定量を超えるといくら入力を増やしても出力が増えなくなるという意味だ。
だから、やみくもに勉強時間や作業時間を増やすのではなく、自分のパフォーマンスが最大限発揮できる時間を見極めることが大切だと説明しています。
本書では2つの例が紹介されています。
一つ目の例は、20世紀初頭の南極点到達のエピソードです。
二つのチームが異なるアプローチで南極点到達を目指しました。
天気がいい日にはできる限り進み、悪天候の日は休むチームと天候が良くても悪くても常に15マイルを進み続けるチームです。
結果は、15マイルを進み続けたチームが帰還し、天候によって進むペースを変えたチームは全員亡くなってしまったそうです。
目的地に到達できた秘訣は、一定の持続可能なペースを設定したことに尽きるという。「1日15マイルを超えない」というシンプルなルールのおかげで無理をせず進み続けることができたのだ。
もう一つの例は、ミュージシャンである友人が本を書かせたら執筆でもとても優秀だったというエピソードです。
こちらもやりすぎないことの重要性が説明されています。
「無理がないように」週に2本のペースで書き、それ以上は決して書かなかった。たとえもっと書きたいという気持ちがあっても、その週の仕事はやめてしまうのだ。
気分が乗っているときに作業をやめるのは、直観に反するように思えるかもしれない。だが実際には、そうした自制心こそが飛躍的な生産性の鍵なのだ。
「自分のペースを守りましょう。書くペースを上げすぎると、脱線して道を見失います。たまにしか書かないでいると、勢いがなくなります。1日1000ワード程度がちょうどいいペースだと思います」
このように、やりすぎないことも重要だということが本書に書かれていて、まさにその通りだと思いました。
村上春樹のランニングに関するエッセイを読んだ時にも似たような例がありました。
速く走りたいと感じればそれなりにスピードも出すが、たとえペースが上がってもその時間を短くし、身体が今感じている気持ちの良さをそのまま明日に持ち越すように心がける。長編小説をかいているときと同じ要領だ。もっと書き続けられそうなところで思い切って筆をおく。そうすれば翌日の作業のとりかかかりが楽になる。
リズムを断ち切らないこと。長期的な作業にとってはそれが重要だ。いったんリズムが設定されてしまえば、あとはなんとでもなる。しかし弾み車が一定の速度で確実に回り始めるまでは、継続についてどんなに気をつかっても気をつかいすぎることはない。
エフォートレス思考では、やることの上限と下限を決めることを提案しています。
どんなことがあってもやり切れる最低限のラインとそれ以上は超えてはいけない最上限のラインを決めるのです。
私も日々の生活に取り入れてみようと思います。
いかがでしたか。
「エフォートレス思考」を読んで特に印象に残ったのは、「上限を決める」という点です。要は、やりすぎない、ということです。
日々無理なくできる量を見極めてそれを粛々とこなしていく。それこそが成果を最大化させる秘訣だと思いました。