「貯蓄から投資へ」というスローガンが掲げられて久しいですが、それがようやく動き始めているようです。その担い手は過去の投資で大きな「トラウマ」を持たない20〜30代の世代だと言われています。
日経新聞に興味深い記事があったので紹介します。
「預金していても仕方ない。必要最低限を残し他は全て投資信託や米国の個別株で運用している」。20代後半の女性会社員は明かす。社会人になると同時に積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)を活用して資産運用を始めた。情報収集するほど運用の重要性を感じ振り向ける額を徐々に増やしたという。
こうした考えは若年層に広がりつつある。金融庁によると、2022年3月末時点で20歳代のつみたてNISAの口座数は112万、30歳代では170万にのぼり、40歳未満が全体の約半数だ。
若年層が投資に前向きで積立NISAの口座開設も増えているようです。
なぜ前向きになれるかというと、資産運用によるトラウマの経験がなく、株も全体的に上昇基調だったからです。
一方で、40歳以上の世代の多くが投資に対するトラウマを抱えているといわれています。1990年代のバブル崩壊や2000年代のリーマンショックを経験しているからです。
分かりやすい図があったので日経新聞より引用します。
私はこの図の「雪解け世代(03〜12)」に属しますが、2008年に貯めたお金で日本株や外貨投資をしていてリーマンショックで株価暴落と円高で半分以上の資産を吹き飛ばすという経験をしました。これはトラウマになりました。
私は「雪解け世代」ではありますが、解ける前に一度凍っているのです。
リーマンショックの洗礼を受けた方は私のようにそれなりのトラウマを抱えているはずです。
さらに2020年には、コロナショックでこの時も資産の三分の一が吹き飛び、その時の記憶があまり残っていません。このブログの中に当時の貴重な記録が残っていますが、これもトラウマと言えるでしょう。
そして2022年ですが、インフレショックでものすごい勢いで資産が溶けつつあります。
特筆すべきは、NISAでレバレッジETFを運用していたら1,000万円くらい資産が吹き飛んだことです。これが最も大きなトラウマになりました。
とはいえ、米国株に投資をしている方は円安の影響でそこまで資産が減った感覚はないと思います。
このように、雪解け世代やアベノミクス世代は「ほぼトラウマなき」と言われていますが、「私はそれなりにありますよ」と言いたいです。
私のように自爆してトラウマを抱えている人もいるでしょう。
確かに「雪解け世代」や「アベノミクス世代」の多くの人はバブル崩壊やリーマンショックのような大きな下落を経験していません。
しかし、不安定さは増していて、頻繁にそれなりの急落に見舞われているような気もします。
それでもなんとか投資を続けようとする勇敢な若者たちが増えてきているのかもしれません。それが「貯蓄から投資へ」の原動力になっていると信じたいです。
今回の下落が私たちにとってさらに大きなトラウマになる可能性もあります。
しかし、それに負けてはいけません。
「雪解け世代」「アベノミクス世代」の底力はまさにこれから発揮されるのです。