「定年後にもう一度大学生になる」の感想文

定年後にもう一度大学生になる――一日中学んで暮らしたい人のための「第二の人生」最高の楽しみ方」と言うご本を読みましたので、感想文を配信させていただきます。ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。

将来大学に戻って勉強をやり直したい、と思っていることは何度かブログでもお伝えしている通りです。

サラリーパースン時代にはそのことを忘れかけていましたが、その思いが再び強くなってきています。

実際に定年後にもう一度大学生になった方の本を読んでみました。

著者の瀧本哲哉さんは、59歳で京都大学経済学部に入学されました。

きっかけは息子さんが大学に進学するのをみて羨ましく思ったからだそうですが、将来を考えず、ただ今知りたいことを勉強することが楽しいと言っておられます。

まさに私もそれが大学に行きたいと思う理由であり、本書を読んで共感することがたくさんありましたので紹介します。

印象に残っているのは、学部からの入り直しの勧めです。私が学部から入り直したいと思っている理由と重なっていたからです。

「学部入学」の3つの魅力とは

  1. 幅広い専門科目を思いのままに学べる
  2. 文系・理系の枠を超えた教養科目は学部入学の醍醐味
  3. 若者との交流が学生生活を豊かにしてくれる

確かに学びたいことがすでに決まっており、その分野を極めたいと言う方なら3年次編入や大学院への進学が最も効率的かもしれません。

しかし、社会人生活を送る中で学生時代にはなかった知識や経験が増え、さまざまなことに関心を持つようになったビジネスパースンの方もたくさんいらっしゃいます。

文系理系問わず、興味のある教養科目や専門科目を受講することで自分の関心が思わぬところにあることを知り、それが将来の学びを決めることもあるでしょう。

実際に著者の瀧本さんも文学部の授業を受講したことをきっかけに卒業論文のテーマが決まったそうです。

また、若い学生たちとの交流も学生生活を豊かにしてくれます。

もちろん最初は戸惑うこともあったそうですが、授業でわからないことを教えてもらう一方で社会のことや将来の進路についてのアドバイスなどをしていたそうです。確かに社会経験を積んでいる学部生は少ないので、これは有益だと思いました。

もちろん、定年になってから大学進学をするにはデメリットもあります。

まず学費の問題があります。

元々貯蓄があればそれを学費に充てることもできますが、大学と仕事を両立させることは難しいので基本的には収入なしで大学生活を乗り切っていく必要があります。

ご家族の理解が必要ですし、ライフスタイルの変更を余儀なくされる可能性もあるかもしれません。

私の場合は、レバレッジNISAで大学資金を作ることを目指しているので、今後5年間で大当たりすればそれが学費になる見込みです。当たりますように。

次に受験勉強です。

瀧本さんは3年間受験勉強をして合格を勝ち取りました。3年も受験勉強をするなんて辛そうだと思うかもしれませんが、むしろ逆で勉強を楽しむことができたそうです。確かに若い時より読解力は向上し、知識や経験が増えているのでそれを活かせれば、若い時より理解がしやすい科目もあるかもしれません。

勉強方法についても本書で詳細に書かれているので興味がある方は読んでみてください。

その一方で、定年になってから大学に行くことに否定的な意見を持つ人もいます。

例えば、税金を使って勉強しても社会に還元する時間は残されていないから税金の無駄遣いになる、とか、1人の将来ある若者が不合格になり、その進路の妨げになると言う意見です。

確かにこの指摘は正しい面もあります。

しかし、瀧本さんは既に36年間働いてきて、その分の税金は納めてきたのだからそのくらいお願いしますよ、と税金については反論しています。

年齢については、学問をするのに年齢は関係なく、むしろ幅広い年齢層とさまざまな社会経験を持つ学生がいれば多様性が生まれてむしろ良い、とおっしゃっています。

私は税金を支払う期間が短く、しかも恥ずかしいことに今はできる限り税金を払わない努力をしているので、税金の無駄遣いを指摘されたら返す言葉がございません。

今後もブログを通じて人々を幸せにしていくつもりなのでお許しください。とか言い訳を考えておく必要があります。

幅広い年齢層がいた方が学びの質が高まると言う点は本当にその通りだと思いました。

このように、私がやろうと思っていることを既に実践されている方がおり、とても心強く感じました。

もし私が大学生になるとすればそれは40代か50代になるかもしれません。サラリーパースンとしては働き盛りなのかもしれませんが、そのタイミングで大学生に混じって勉強するのはかなりレアなパターンでしょう。

しかし、世の中は変わりつつあります。

人生100年時代といわれますから、定年後ではなくもうちょっと早く学び直しを始めたい。そう思われる方もこれからたくさんででくるのではないでしょうか。

中高年が大学に入る意義もあります。

日本では少子化が急速に進んでおり、中高年が大学に入る余地は拡大しています。幅広い年齢層の入学が増えてくれば大学がもっと活性化するのではないでしょうか。若者にとっても、同じ年代だけの均質な環境ではなく、さまざまな社会経験のある社会人と一緒に学び、ともに議論する機会があれば、その意義は小さくないように思います。

定年後にもう一度大学生になる――一日中学んで暮らしたい人のための「第二の人生」最高の楽しみ方

今後も大学に入るための研究を続け、いつでも大学に入れるように、勉強をしておこうと思うのでした。