東京のタワーマンションにはいろんなタイプの人間と動物がいます。
ごく普通の家庭もありますが、それはどちらかと言えば少数派です。
うぇいうぇい系若者、外国人、意識高い系の人、おじいさん、おばあさん、そして牛さん。
多分親が金持ちの日本版富二代または三代?系が非常に多い印象ですね。
中国では、一代で富を築いた富豪の子女を「富二代」と呼ぶ。
親とは違い子供のころから裕福な生活をしていた彼らは、大量の札束に火をつけたり、飼い犬に超高級時計をはめさせたりと、その度を越したふるまいでいつも世間を騒がせている。その放蕩ぶりに、習近平国家主席までが苦言を呈するほどだ。
飼い犬が高級時計をしているのは見たことがないけど、アップルウォッチを付けた牛はいます。
高そうな洋服やバッグを身に付けたお姉さんが夜出かけていくのもよく目にします。いい匂いがするのでおじさんは犬のようについていきそうになりますが、そのチャラさに苦言を呈したくなるのも事実です。
治安はあまりよくありません。
朝警察が来ていることもあるし、エレベーター内でお〇〇こする人とかがいて注意喚起されてました。
刺激的な日々を求めたい方にはおすすめかもしれません。
警備はしっかりしているので何か悪いことをするとすぐに摘発されます。
だから、穏やかな日々が脅かされる心配はありませんが、そのうち何かやばい事件が起こりそうな気配もします。
例えば、民泊はだめだと言われていますが、先日新たな手口を発見いたしました。
宅配ボックスに荷物を取りに行った時のことです。
ひとりのチャンネーが荷物を取り出すところで、やたら辺りを気にしている。
怪しいと思い、物陰からこっそりと彼女の動向を追いました。
彼女は人がいなくなったところを見計らって、宅配ボックスの扉をおもむろに開けました。
するとどうでしょう。中には金庫があるではありませんか。
宅配ボックスの中に金庫?マトリョーシカじゃないんだから。
っておいおい、スパイかよ。そこ、秘密の部屋だったのかよ。
見ちゃったじゃねぇか。「24」なら僕は間違いなく殺される。
金庫にはいくつかの扉がついていて、それぞれの小部屋毎に番号が振ってある。そこから女スパイはカギのようなものを取り出していました。
しまった、女と目が合った。黒木メイサ似の美女スパイだ。
「ははは、いい天気ですね、それ民泊?それとも起爆装置?」
お願いだから民泊であってくれよ。
新たな発見とともに広がる世界。ここはフロンティアか。
いったいみんなはどんな仕事をしているのだろう。
ロビーでゆっくり新聞読んでる人、昼間に犬の散歩してる男、派手なスーツに身を包んだヒカキン風の若者、夜に出かけていくローラ系チャンネー、黒木メイサ似の女スパイ。
そして、僕。悪くないね。
だから、タワーマンションは居心地が良い。ダイバーシティを許容する環境、ある種のカオスがそこにはあるから。
タワーマンションと無職は相性抜群。
ずっとここにいるわけにはいかないけど、もう少し僕はここで人間観察をしていたい。