中世ヨーロッパの封建制と今の社会は大して変わっていない

世界史を勉強している時に、中世ヨーロッパの封建制について学びましたが、これは今の社会の仕組みと基本的には同じなのではないかと思いました。

封建制とはどんな仕組みなのか簡単に説明します。

参考文献

諸侯や騎士の領地は「荘園」と呼ばれていて、その荘園に住む農民は「農奴」と呼ばれていました。

荘園には主に二つのタイプがあって「保有地」という農民に土地を保有させてそこから一定割合の収穫物を地代として収めるタイプ。

もう一つは「直営地」と言って、領主が経営する土地で「賦役」と呼ばれる強制労働があり、収穫物のすべてが領主に取り上げられるタイプ。

「直営地」では農奴のモチベーションが上がらないので生産性が低く、次第に領主は「保有地」を増やすようになっていったようです。

それ以外にも結婚して領外に出る時には「結婚税」を、死亡して遺族が「保有地」を継承する時には「死亡税」を、教会には収穫物の十分の一を収める「十分の一税」がありました。

さらに領主は「領主裁判権」という強権を持って農民を支配し、国王ですら裁判権や課税権も行使できなかったので(不輸不入権)、農民は領主に服従するしかありませんでした。

一方で、鉄製の重量有輪棃や三圃制(春耕地、秋耕地、休耕地に分けて三年で一巡)によって生産力が高まり余剰生産物が増えてくると、徐々に農民の地位も高くなり、自由な身分になるものも現れたそうです。

この一連の流れは、サラリーマン生活にも当てはまる気がしました。

私も会社(領主)に忠誠を誓いました。

「吾は、汝の愛するものを愛し、汝の憎むものを憎む」と。

そして、荘園で頑張って貢納と賦役に励み、余剰生産物を貯めて、それをさらに増やし、ヨーマン(独立自営農民)になったのです。

もちろん、今では法律がちゃんとあって、労働者が保護される仕組みも整っていますが、会社員の基本的な仕組みは封建制とよく似ています。

会社が保有するフィールドで労働して、そこでの収穫物を会社に献上し、その一部を貨幣という形で受け取る。さらにそこからいろいろな税金が取られて、残ったお金はごくわずか。

その中でもなんとか生産余剰を生み出して、その余剰を使ってVTIを買って、うまく行けばヨーマン(独立自営農民)になれる。

これは大変に興味深いなぁ、、と思って本屋を歩いていたらタイムリーに面白そうな本を発見したので紹介します。

まだ最初の方しか読んでいないので内容はよくわからないのですが、上記記事に解説があるので興味がある方は読んでみてください。

社会に出てから改めて歴史を学んでみると、新しい気づきみたいなものがあって楽しいですね。

世界史を学んでおくと、このような本の理解もしやすくなるはずです。

この本が面白いのかまだ分かりませんが、読了後、気が向いたら感想文を書いてみようと思います。