君はどこにでも行ける

堀江貴文氏の最新刊「君はどこにでも行ける」を読みました。

世界も日本も急速に変化する中で君はどうするよ?という問いを本書は投げかけてきます。「海外へ出よ!」とよく言われますが、別に無理して海外に出ることはない、行きたければ行けばいいし、行きたくなければ行かなくてよい。本書のメッセージは、日本にいようが、海外にいようが、やれることはいくらでもある、ということです。そしてその第一歩が日本の現状を知ることだと言っています。

まず堀江氏は、日本がかつてない安売り時代に入ったということを指摘します。日本に住んでいるとイメージが沸きにくいかもしれませんが、身近な具体例の1つが中国人の暴買いです。私は今中国に住んでいますが、日本に帰る度に中国人同様爆買いします。中国で買うよりも良いものがはるかに安く購入できるからです。このため「日本の安売り」というのを自分の肌で体感することができています。たまに中国の物価はいまだに安いと思い込んでいる人がいますが、全くそんなことはありません。ラーメン一杯が日本円で800円位しますし、カフェでランチをすれば軽く1500円位かかってしまいます。つまり、中国の物価は既に日本と比べて高くなってきているのです。一方、日本では良いものやサービスが海外よりも低価格で手に入れることができるようになっています。このような情勢を鑑みて堀江氏は、日本がかつてない安売りの時代に入ったと言っています。そして、これは別に悪いことではなく、逆にチャンスであるというのです。日本が買いたたかれているのであれば、それを逆手に取ってアジアマネーの呼び込みを成功させて、新たなグローバルビジネスを構築すればよいということです。

入ってこようとするものを拒む方法を考えるより、いかに外からの流れを利用するかを考えていかないとダメだ。

本書にはいくつか具体的な例を出してどうすべきなのかが詳しく書かれていますが、興味がある方はぜひ本書を読んでみてください。堀江氏の固定観念にとらわれない自由な発想に触れることができ、参考になります。

他にも堀江氏が訪れた国々について経済発展の様子やテクノロジーの発展について書かれています。堀江氏が予想以上に海外に足を運んでいたということを知って驚きました。実際に多くの国を知れば知るほど、日本がどのような国なのか、日本人がどのような人種なのかをより深く知ることが出来るのかもしれません。日本にずっと住んでいると、日本が他の国と比べてどうなのかを知ることはできません。もちろん海外に出たければ出ればいいし、出たくなければ出なくていい、それは全く個人の自由です。しかし、海外に出て初めて分かることも多くあると思います。今の日本がどのような状況にあるのか知りたければ、海外に出て自分の目で世界の変化を目の当たりにすることも大事なことだと思いました。