佐藤優氏の新著「見抜く力――びびらない、騙されない。」を読んだので感想文を書いておきます。
日常的に新聞を読んだりニュースを見れば、断片的に情報を得ることができます。しかし、データを集積するだけでは、ノイズが増える一方です。ノイズとインフォメーションを仕分けし、インフォメーションをインテリジェンスに磨き上げていくのが、見抜く力です。
見抜く力とは、事実を拾い上げて選り分け、点を線を繋げ、物語を構成する力でもあります。
「見抜く力」を身に着けたい方は読んでみてください。
どうしたら常識や情報の意味を見抜き、人の本質を見抜き、日常的なビジネスや生活に結び付けられるか、本書からヒントを得ることができるでしょう。
特に私が印象に残ったのは語学学習や著者のルーティンワークですね。
その部分をちょっと紹介します。
語学は実践訓練が大事
商社のビジネスパーソンの語学力は高いと評価されていて、丸紅の社長やみずほ銀行の頭取にその秘訣をインタビューしています。
やはり、語学を仕事で使えるようにする一番の方法は、「現地の人と話すこと」だと言っています。
これは本当にその通りです。
海外に駐在していても現地の人と外国語で話す機会がなければ絶対に語学は向上しません。海外駐在経験があっても語学レベルが低いおじさんたちが一杯いるのは、周りに日本語を話せる社員や顧客がたくさんいるからです。
私は幸運なことに周りに日本語を話せる人がいない環境で仕事をすることができました。
分からないことを聞くのも、食事中も、カラオケも全編中国語です。
これで中国語のスピーキング能力と歌唱力を大幅にレベルアップさせることができました。
佐藤氏もこのように言っています。
ダフ屋とのやり取りでロシア語力を鍛えられました。旧ソ連時代のモスクワでは、切符はダフ屋経由でしか買えなかったからです。
私も中国カラオケのママとのやり取りで中国語力を鍛えられました。適正価格で素敵な女の子を紹介してもらうためには、ママとの交渉や人間関係の構築が不可欠だったからです。
時間管理術の6大ルール
- 情報はすべて1冊のノートに
- スケジュールは2年手帳に
- 1日を振り返り、記録する
- 1日4時間はインプットを
- 明日できることは今日やらない
- 足りない時間はお金で買う
見抜く力を磨く時間管理術。
私が個人的にいいなと思うのは、1日を振り返り記録することです。
実は私もちょっと前に始めました。
勉強した内容や読んだ本、トレーニング内容を書いておくのです。ルーティン系はフォーマットを決めて何をどのくらい進めたか、それ以外にも取り組んだことなどを書いておきます。
そうすると何が出来ていて、できていないか一目瞭然なので、課題が分かりやすくなります。
- この時期は読書をちゃんとしていたけど最近だめだな、とか。
- 最近英語ばっかりで中国語をやれてないな、とか。
- 外国語の勉強はできていないが、今日は確定申告の勉強をできたな、とか。
結構役に立ちます。
簡単でいいので一日の振り返りをすると、次にやらなければいけないことや今後の課題が確認できるのでおすすめです。
それと並行してインプットの時間を確保することも大切です。
本を読む、音楽を聞く、映画を見る、絵を見る、などなど。
そして得られた知見を午前中にアウトプットする。
佐藤氏も原稿を書くのは朝がいいと言っています。私もブログは午前中に書くようにしています。これはいい感じで習慣化できたので今後も続けていくつもりです。
英語以外の語学を身に着けよう
英語に次ぐ外国語の修得は、今後必須になるでしょう。特に中国語です。
英語に関しては「TOEFL iBT」で100くらいまで実力を上げておき、あとは中国語を使えるようにしたり、中国史や国際関係について大学の助教クラスから、10~15回と回数を区切って講義してもらいます。
こういう激ムズなことをさらりと言ってくれるのが佐藤氏のいいところですね。
「TOEFL iBT」で100くらいまでだけでもめちゃくちゃむずいですからね。
でも言っていることは分かります。
私も英語と中国語は大切だと思っているので、日頃から試験を受けて実力を把握するように努めています。
いかがでしたか。
見抜く力を身に着けるためには、並大抵の努力ではだめだということを本書を読んで再認識しました。
厳しい状況を生き抜かなければならない今こそ、見抜く力を研ぎ澄ますチャンスなのです。