あなたの貯金はどのくらい?

退職する時に少し面倒なことは、何回かに分けていろいろな人と面談しなければならないことです。

その時になぜ辞めなければならないのかを理路整然と説明しなければいけません。

会社で働くことは自分にとって最適な生き方ではないと判断した。ということを言葉を選んで伝える必要があります。

私が気を付けていることは、自分の言葉が相手の人生を否定しないようにすることです。

もちろん、私の聞き手はそれを聞いてどうにかして引き留めようと、ああでもないこうでもない、こんな選択肢もあるのではないかと説得してきます。

どの質問に対しても、それはこういう理由でだめです。と一つ一つ丁寧に対応していくのです。

 

その中で私が不思議だと思う質問は、これから生活はどうするの?というものです。

一言で言うと貯金はあるの?ということです。

正直、それ聞いて意味ありますか?

「は!そうっだった、会社を辞めると生活ができなくて困るんだった、やっぱり続けます」

こんな人いるわけないでしょう。

どんな了見でこの質問をしてくるのか、私は不思議に思いました。

「同情するなら金をくれ」だよ。

たとえ「お金がない」と言っても上司が「これを使いたまえ」なんてお金をくれるわけありません。

何なら僕の方が「これを使いたまえ」と言う側の可能性すらあります。

「幸運なことに、私は別の方面で発生する、生活をするのに十分な資産があります」

なんて村上春樹の小説に出てくるようなセリフも言ってみたいけどぐっとこらえます。

ああ、とか、うう、とか、ああん、と言ってその場をしのぐことにしています。

別に貯金がいくらあると言ってもメリットは一つもないし、さらに面談時間が長くなるだけでなく、よからぬ噂が立つ恐れもあります。

もちろん、気を遣っていてくれるのは分かりますが、サラリーマンを辞める=生活に困る、という考え方は危ないと改めて思いました。一種の思考停止に近いです。

実際に多くのサラリーマンは、仕事を辞める=生活ができない、となるのかもしれません。それが資本主義の必然でもあります。

もちろん、中にはたっぷりと資産を持っていて、サラリーマンをやっているのは暇つぶしさ、という人もいるでしょう。だけどそれは少数派です。

 

サラリーマンから抜け出すのは簡単ではないと思いました。一つのお金を稼ぐ方法ではあるけど、何というか粘着性が半端じゃない。一度はまるとなかなか抜け出せません。

もちろん、サラリーマンを辞めることが正解ではありません。

しかし、一つのことに身を任せすぎるのも危険です。こっちがだめなら、あっちがあるという選択肢を常に持ち、粛々と最適な決断下す勇気が君にはあるか。

その手助けをしてくれるのが資産です。

「幸運なことに、私は別の方面で発生する、生活をするのに十分な資産があります」

これがハッピーな人生をを歩む秘訣だと思います。