私は以前どんな仕事をしていたのか(第4回)

ハンドウタイって何?

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半導体のことをさっぱり知らない人間でも営業になれるのだろうか。

少し自分で調べてみたり、入門書を探して読んでみたりしましたが、完全に理系の内容で理解できず、戸惑っていました。

そもそも当時は適当な半導体入門書がほとんどありませんでした。

不安はありましたが、説明会と一次面接が実施されるようなので、思い切って参加してみることにしました。私に残された選択肢はほとんどありません。

その説明会では、皆さんが気になっていた例の給与体系についての説明がありました。

詳しくは覚えていませんが、入社1年目はボーナスの代わりに一時金というお小遣いが少しだけ出ること、そして、数年すると別の給与体系になり、ボーナスが出るようになるということを聞いたような気がします。

その会社の給与を下調べしていたのでおそらくそんな感じなんだろうなぁ、という予想はしていました。

これで肝心の給与問題はクリアです。

次の問題は、私が半導体のことを何も知らないということです。

これも人事の方が説明してくれました。

「皆様にはこれらの製品を売る仕事をしていただくわけですが、もちろん入社後は研修で製品について勉強していただきます。製品の知識がなくて不安になる方もいらっしゃると思いますが、心配する必要はありません。実は私もよく分かっていませんから、、、」

学生たちを安心させるためにこのように言っていたのかもしれませんが、半導体の知識は入社前には必要ない、入社後に勉強すれば良い。ということはわかって安心しました。

文系の営業はどこも大体こんな感じでしょうかね。

そこそこ頭がよくて、人当たりがよくて素直そうな学生を採用して、入社してから必要な知識を習得させて、まとめて洗脳する。

この洗脳する。がポイントですね。

入社時に尖っていた人材もいつの間にか社畜へと成り果てていく。

あの大嫌いだった先輩そっくりになっているじゃないか、、

人はそう簡単には変わらないと聞くが、そんなことはない。人はすぐに変われる。

ということで、この会社の選考に進みました。

以下の2社に絞り込み、ほぼ同時期に選考が進んでいきました。

  • 海外展開する塾 
  • 半導体の海外営業

私が就活に使える戦闘力を考慮すると、これ以上多くの選考に挑むのは危険です。

ダメだったら就職を諦めよう。

内定をもらえたらそこに行く。

いずれにせよ、海外に行くチャンスはあるのだ。

塾の方は、個人面接+学力テスト→模擬授業+個人面接→社長面接という順番でしたが、いずれもスムーズに突破しました。

私は7人のボスキャラたちによる圧迫面接を経験していたので、面接に対する度胸が身についていたような気がします。

そして、半導体の方は、説明会の後のグループ面接を突破した後に、海外営業の別の拠点で最終選考となりました。

そこで、初めて就活で新幹線に乗りました。

新幹線に乗るのは久しぶりだな。中学の修学旅行以来なんじゃないか。。しかしこんなに緊張する新幹線は初めてだ。

そして、駅近くの面接会場に到着し、部屋に案内されました。

そこで「大学時代の自慢話」という作文を書かされ、最終面接が行われるという運びです。

面接前にスラリとした長身の素敵な女性の方と一緒になりました。最終面接の同志のようです。

え、お姉さんもハンドウタイ?

という気持ちになりましたが、面接前で緊張していて多くを語れる状況ではありません。

軽く挨拶をしたようなしなかったような、もうあまり記憶はありませんが、二人で面接を受けるということがわかりました。

そして、最終面接の時間です。

「うおおおぉぉぉ」

バシンバシンバシン

今回は相棒もいるし、今の俺なら7人までなら対応可能だ。

最終面接

海外営業本部長と人事部長の二人。

受験生二人。

二対二で行われることとなりました。

「それでは自己紹介をお願いします」

彼女が先に自己紹介をして、それを聞いた私はびっくり仰天したのでした。