金融資産の9割を米国株で保有する

私の運用方針はほぼ全財産を米国株に投資するというものなので、おのずとポートフォリオの大部分は米国株かつ米ドルとなります。一見するとリスクを取りすぎなのではないかと思うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

この運用方針を支える一冊の本があります。私にとってはバイブル的存在です。

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 (講談社+α文庫)

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 (講談社+α文庫)

 

この中で私が参考にすべきだと思った3つの投資原則があるので引用します。

金融資産に比べて人的資本が圧倒的に大きい場合、
  • 全資産を株式に投資すべきである。
  • 投資にはレバレッジをかけるべきである。
  • 全資産を海外資産で保有すべきである。

引用元:黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 (講談社+α文庫)

 

サラリーマンは、自分の身体や能力(人的資本)を労働市場に投下して収益を得ています。本書によれば、おおよその人的資本の価値は長期金利(出版時は2%らしい)で割り引くことで求められると書いてあります。現状では低金利なので参考にならないかもしれませんが。

仮に当時の長期金利2%で計算すると、年収500万円のサラリーマンの人的資本は2億5000万円になります。2億5000万円を年利2%の定期預金に預けると年間500万円の利息を受け取れますね。これと同じように人的資本を労働市場に投じることで年間500万円の給料を受け取ることができます。

つまり、金融資産に比べて人的資本が圧倒的に大きいというのは、多くの20~30代のサラリーマンに当てはまります。だから、私と同じような30代サラリーマンは上記の投資原則を順守することが最も経済合理的な行動です。このため私は実験的に上記原則のレバレッジを除いては実践しています。

しかし、私がこのブログでも書いているように上記3つを実践するのはそんなに簡単なことではありません。なぜなら多くの人は金融資産の激しい値動きに耐えることができないからです。レバレッジを効かせていなくても十分にその値動きは刺激的です。

だからこそ自分の置かれた状況や人的資本に思いをはせる必要があります。自分の年収はいくらか。投資に回せる資金がどのくらいか。どの通貨が手に入りやすいか、などなど。

たとえ3000万円を全額失ったとしても、サラリーマンをもう10年頑張れば取り戻せます。かなり辛いけど、、一回できたから不可能ではないはずです。

たとえ金融資産が全て米ドルだけだとしても、毎月まとまった日本円が手に入るなら円高になっても気が楽です。むしろ多くのドルや米国株が買えてラッキーと思えるかもしれません。

このように金融資産の運用方針を決める際に、自分の人的資本を含むその他の資本を考慮に入れることは大切です。とても有能なパートナーや友人がいてあなたが働かなくても十分生きていけるならそれも一つの資本といえます。

自分の保有する資産次第では金融資産はもう少し積極的なポートフォリオを組んでみてもよいと思えるかもしれません。思っている以上にみなさんも多くの資産があるのではないでしょうか。

幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」

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