今回は会社員10年間でどのくらい確定拠出年金の資産残高が増えたのかとその雑感についてお話します。
恒例の確定拠出年金シリーズですが、僕は33歳にしては確定拠出年金の経験は豊富な方だと思います。なぜなら出たり入ったりしているから。ヒストリーをおさらいしておきます。
- 前前職で企業型確定拠出年金に加入。スズメの涙ほどの金額を7年間拠出。
- 無職中、国民年金免除により個人型確定拠出年金資格喪失。
- 就職により個人型確定拠出年金資格獲得(12,000円/月)
- 企業型確定拠出年金に加入(21,000円/月)
- 退職により企業型確定拠出年金の資格喪失
- 個人型確定拠出年金へ移管中(68,000円/月)
ほらね。こんだけ出たり入ったりしているので、手続きの仕方がだいぶうまくなってきました。
でね、この会社員生活10年間でどのくらいの資産が積みあがったかというと、もうびっくりですよ。
赤は評価額、青は運用額、線は運用利回り
たったの100万円弱です。
これでよく老後の備えになんて言えますね。いつも思ってました。
「どう考えても少なすぎだろ!」って。こんなんで老後の備えなんかできるかよ。
ただし、運が良かったことは拠出額が小さいとはいえ、若かりし頃から確定拠出年金に加入していた実績があることです。
ずばり10年8カ月あります。
これの何がいいかと言うと、受け取り時の退職所得控除額がこの加入期間によって決まるからです。これは以前記事でも説明した通りです。
もし60歳まで確定拠出年金に拠出を続けると、大体2,000万円分ほど非課税で受け取れるというわけです。
で、今100万円。
あと1,900万円分を埋めたくなりますよね。でも会社員ではこの分はそう簡単には埋まらないでしょう。
なぜなら月20,000~30,000円位が拠出額の限界でしょうから。
もっともあと30年位もサラリーマンを続けることができるタフガイは他にも退職金が出るでしょうから、退職所得控除があってもあまり意味がないかもしれませんね。
ということでもし個人型確定拠出年金をしている人で、運用益非課税+退職所得控除を有効活用したいのであれば、以下戦略が有効と個人的には考えています。
若いうちにできる限り株式インデックスを仕込んで、運用状況+収入を見ながら徐々にリスクと拠出額を下げる。
- 若いうちに株を仕込むのは長期で見るとリターンが高くなる傾向があるから。
- 後半にリスクを下げるのは、株式偏重だと受け取り直前の急落でダメージを負う可能性があるから。参考資料:上の図の運用利回りと以下記事。
- 退職所得控除にこだわりたいならある程度リターンが乗ったところで元本保証系の商品に振り替える。
- 残りの期間で控除上限になるように調整。
という具合でしょうかね。
別にぴったりを狙う必要はなくて、運用益非課税&所得控除のメリットと60歳まで引き出せないデメリットを天秤にかけて最適な戦術を取ればよいと思います。
控除関係なく儲かったらオッケーという考え方もありですね。
でも結局、会社の確定拠出年金だけでは老後のお小遣いくらいにはなるかもしれませんが、十分な資産形成ができるかと言うと微妙です。
もちろん60歳まで勤め上げれば2,000~3,000万円位の退職金を得られるかもしれませんが、あと30年位あればこの位の退職金を作ることは難しいことではありません。
300万円をSPXLというタイムカプセルに入れて、30年後取り出してごらん。
数億円の退職金ができるかも。
まぁこんなにうまくはいかないでしょうけど、3,000万円に到達したら即償還するというルールを作ったらかなりの確率で30年以内に成功しそうな気がします。なくなっても300万円だしね。
こうして自分の使えるオプションを整理して、最適化することができれば老後のお金に対する不安を和らげることができるかもしれません。