個別株投資からインデックス投資にした理由

ここ2~3年間は米国株にずっと投資をしていますが、投資対象はころころ変わっています。その中で個別株投資を止めたのが大きな変化の一つです。

以前投資していた銘柄は以下の通りです。

  • Verizon
  • Cisco
  • Phizer
  • CocaCola
  • GE
  • PhilipMorris
  • HSBC
  • Royal Dutch Shell

ちょうど無職になるタイミングでこれらをすべて売却し、現金(米ドル定期預金)に変えました。もちろん、今後もリスク許容度に応じて個別株を買い足していくのもいいのですが、しばらくはインデックス投資(米国ETF)で様子を見るつもりです。

インデックス投資が良いと思う理由は3つあります。

一つ目は、効率よく少額で分散投資ができることです。

日本の証券会社なら購入手数料がかからず、保有コストも低いインデックスファンドが簡単に手に入ります。海外ETFもNISA口座なら購入手数料が実質無料になる証券会社もあります。つまり、少ない投資資金でも低コストで幅広い銘柄への投資が可能です。

例えば、私が投資するVTIはこれ一本で米国株市場の約3600銘柄に投資でき、上位銘柄も超優良企業ばかりです。

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投資金額が少ない場合、個別株に投資すると購入手数料の占める割合が購入額に対して高くなるので効率的ではありません。

例えば、500ドル分の株を買うのに5ドルの手数料がかかるとすると、手数料だけで1%分損します。

また、銘柄を分散させるためにはその分購入回数も増えるため、手数料の増加につながります。

一回あたり5ドルの手数料がかかるなら、10銘柄に投資をすると50ドルの手数料になります。

もちろん、まとまった資金があったり、必ず値上がりする銘柄を見極められるのであれば問題ありません。

個別株はインデックスファンドのような保有コストがかからないので、投資金額が大きくなればなるほど個別株の方がコストが安くなるからです。

また、上昇する銘柄を見極められるのであれば、購入手数料をはるかに凌ぐリターンを得られるでしょう。

しかし、数千万円単位のまとまった金額が確保できておらず、低コストで分散投資をしたいのであればインデックスファンドに投資するのが得策です。

二つ目は、リターンも十分であることです。

私が保有するVTIは、設定日の2001年5月24日から2019年1月31日までの間で年6.89%のリターンを生んでいます。

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参考:バンガード・インベストメンツ・ジャパン - 商品案内 - バンガードETF

この期間にはリーマンショックという経済危機があったことも忘れてはなりません。

もし2001年にVTIを購入してこの利回りで複利運用できたとすれば、1,000万円が約3,300万円になります。

私はこのリターンでも十分だと思いますし、もしさらにリターンを高めようと思うなら、自分で個別株を選ぶより、インデックスにレバレッジをかける方を選びます。

三つ目は、個別株の値動きに一喜一憂しなくていいことです。

個人的にはこれが一番の理由かもしれません。どうしても個別株投資をしていると、日々のその値動きに一喜一憂して心が休まらないことがあります。

実際今でも私はGEの呪いから逃れることはできません。以下のチャートを見てください。

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このチャートのずっと左の頃からGE株をたっぷり買い込んで、このチャートの一番底で売却しました。

今でも保有していれば、iPad Pro 11+ Apple Pencil + Keyboard folioが余裕で買えていたことを考えると、奇声を上げずにはいられません。

そもそも個別株投資をしていなければ、iPad Pro11が1ダース買えていたのではないか?

キーボードを打つ手が震えまsでゅsふぁskdn。

このように個別株は、暴騰の可能性もありますが、暴落の可能性も秘めています。そして、その値動きに長期間対峙していくのは難しいかもしれないと思ったのです。

さらに一度その株を保有してしまうと、その後売却したとしても値動きが気になります。まさに一種の呪いのようなものです。

また、複数の対象を同時並行で追っていくのが苦手だったことも一因です。これは私個人の特性ですが、ポートフォリオがVTIだけになったときになんか気が楽になったのです。これでええじゃないか、と。そして、美しいとすら思いました。

もしかしたらVTIを持ち続ける、または淡々と買い増していくのが自分にとって最適な方法かもしれないとこの時悟りました。つまり、自分はこれだ!と思える感覚も大事だということです。

このように、インデックス投資が良いと思う理由は、以下の3つです。

  • コストが抑えられる
  • リターンも十分である
  • 自分の心の平静を保てる

ただし、これは自らの実験と経験を通じてたどり着いた結論ですので万人に通じるものではありません。

若いうちにいろいろ試してみて、自分の納得できる投資スタイルを見つけ出すことが大事です。

だからこそ、気の済むまでいろいろやってみたらよいでしょう。そこで打ちのめされて、勉強になって、謙虚になる。

最後に投資の成否を決める要因が本に書いてあったので引用しておきます。

簡単な計算で分かることであるし、歴史がそれを証明してもいるが、株式投資で成功する戦略とは、アメリカの上場企業の株式すべてを極めて低いコストで保有すること、である。

Simple arithmetic suggests, and history confirms, that the winning strategy for investing in stocks is to own all of the nation's publicity held businesses at very low cost.

インデックス投資は勝者のゲーム──株式市場から確実な利益を得る常識的方法 (ウィザードブックシリーズ Vol.263)

The Little Book of Common Sense Investing: The Only Way to Guarantee Your Fair Share of Stock Market Returns (Little Books. Big Profits)