「今日はお休みなんですか?」と聞かれると、ドキッとする。
髪を切りに行くと、このセリフをよく耳にする。
「えぇ、そうなんです、えへへ」と答えて、それ以上は答えない。
平日の10時に髪を切りに行くと、大体そういう感じになる。
平日にボランティアの説明会に行っても同じことが起きる。
平日に散髪=普通じゃない
平日にボランティア=普通じゃない
みたいな式が成り立っていないだろうか。
それは思考停止である。
たまたま今日が休みなのか、それとも平日が休みの仕事なのだろう。
この思考回路が思考停止の証だ。
僕も土日が休みではない仕事に就いていると思われている可能性がある。
しかし、平日の違う曜日の午前10時に予約を入れているので、そろそろバレ始めている頃だろう。
今日がお休みなんじゃなくて、毎日がお休みなんじゃないか、、?
つっこむとめんどくさいことになりそうだから、この話は深入りしないほうがよさそうだ。
と、お客様情報に書かれ始めたのかもしれない。
最近は「今日はお休みなんですか?」と聞かれることも少なくなった。
担当を指名しないので、会話の内容も浅く、適度な距離感が保たれている。
指名をしてしまうと、少し自分のことを話さなければならなくなるのでめんどくさい。
このように、マイノリティになると生きづらさを覚えることがある。自分を説明するのに少々手間を要する。
大した事ではないのだが、それに躓く。
今まで見えてなかった段差にハッとするのだ。
平日10時に30代の男性が髪を切りに来たらこう言ってほしい。
「会社辞めたんですか?」
僕なら確実に指名する。
切るのは髪の毛だけではありません。
世の中のタブーにもあえて切り込んでいきます。
そんな美容師がいい。
洗脳されてはいけない。固定観念を持つな。毎日が休みだ。
僕の休みは、土日と平日です。
そういう人を排除しない世の中になってほしい。