含み益2000万円に耐えるのが辛い

投資をしばらく続けて気づいたのは、結局メンタルが大事だということです。

そして、どんな成功者であれ共通して言えることがあります。

それは、成功者は含み益の増加に耐えることができた、ということです。

言い換えれば、マシュマロを我慢できた、ということです。

そうでなければ投資で大金を得ることができていないはずです。

つまり、含み益に耐えることが投資を成功させる素養の一つと言えるでしょう。

よく考えてみれば、これは本能に反する行動のはずです。

想像してみてください。数万年前のサバンナにいた私たちを。

貴重な獲物が少し目を離したうちになくなっていたらどうなるでしょうか。

死にます。

つまり、自分の獲物に執着した種の方が生存しやすかったはずです。

絶対に自分の獲物は逃がさない、減らさない。

こういう獲物への執着心が私たちのDNAに組み込まれているはずです。

株式投資に当てはめると、これは即利確したくなる衝動と結びつきます。

得た獲物を確実に我が物としたい。

株式投資だったら死にはしませんが、サバンナで培われたその衝動が株式投資に適用されてしまいます。

サトシ・カナザワの「サバンナ原則」を引用します。

カナザワ理論の基本は、「サバンナ原則」である。人間の脳は、はるか昔アフリカのサバンナで暮らしていた頃から基本的に変わっておらず、現在でも、サバンナになかったものはうまく認識できないという。

現代人の、テレビやポルノへの反応にも、この原則が当てはまる。テレビについては、画面に映っている映像がつくりものに過ぎないことが、われわれにはわからない。サバンナにはテレビなどなかったからである。

サトシ・カナザワ - Wikipedia

株式投資もうまく認識できていないと思います。

利確をすることは悪いことではありません。確実に利益を増やすためには必要なことだからです。

しかし、頻繁に利益を確定すれば機会損失と税金の観点から、資産を効率的にに増やすことができません。

だから、獲物確定本能に抗い続けることができるかどうかが大事です。

 

みなさんは投資をして少なくとも数千万円以上、または1億円を目標にしている人が多いと思います。

この目標を達成するとき、自分がどの位の含み益を抱えることになるか知っていますか。

例えば、楽天カードで月5万円のVTIを積立投資したと仮定しましょう。

年利7%で30年運用すると、5,880万円になりますが、そのうち4,080万円は含み益です。

知ってましたか?

つまり皆さんが目標にする資産を達成する頃には、数千万円単位の含み益を抱えることになります。

これ耐えられますか?

かなり辛いと思います。

コロナショックの時は一か月で含み益が吹き飛びました。跡形もなく。

これまで増やしてきた含み益が一瞬で含み損に転じました。

今私は含み益が2000万円近くあるのですが、これが一瞬で消えたらどうなるか。

ぴえん。じゃすまないです。

だから、ちょっとした下落でも売りたくなってしまう。

獲物確定本能にいかに抗うか。これが投資家の課題です。

私たちにできることは多くありません。

  • 利確したら失われる税金に思いを馳せる
  • ブログで絶対に売らないと豪語し自己洗脳する
  • 積立設定をしたらパスワードをランダムにして証券会社にログインできないようにする

これで解決です。

みなさんリターンを増やすことばかり気にしていますが、そのリターンを抱える器がご自身にあるか、もう一度よく考えてみた方がよいでしょう。