金利上昇と若年層の住宅ローン問題

ちょっと前からあることが気になっていました。それは、家の周りの古い家がどんどん壊されていっては、新しい一軒家がどんどん建ち、そこに比較的若い家族がどんどん入居していっているということです。

入居者は30代位で小さな子供がいるような世帯です。おそらく4〜5,000万円はするはずなのですが、住宅ローンを組んで購入しているのでしょう。

私もローンが組める立場にあれば、マンションの一つや二つは買っていたかもしれませんが、今やその夢は絶たれました。

私は住宅ローンで家を購入することを否定しません。むしろレバレッジ勢としては共通点もあります。

レバレッジをかけて家を買うか、株を買うか。ただそれだけの違いです。

買う対象は違えど、ポリシーは共通しています。舞台は違うがお互い頑張ろう。そんな言葉を心の中で掛け合い、讃え合います。

そんな最中、日経新聞のとある記事を読みました。

若者の負債が増えていると言うニュースです。もちろん負債とは住宅ローンです。

貯蓄は大して増えていないのに負債は増えていると伝えています。

59歳以下・2人以上の世帯

負債:706万円(2002年)→1,034万円(2021年)

貯蓄:1,258万円(2002年)→1,311万円(2021年)

日経新聞の記事によると、負債が増えた理由はいくつかあります。

まず、共働きが増えたことによりペアローンを組みやすくなったこと。ペアローンの方が借入額が増える傾向があるようです。

また、住宅購入額の全てをローンで賄う「フルローン」が増えていることも借入額が増えている一因と指摘しています。

さらに、低金利と住宅ローン控除が住宅を買うきっかけになったのは言うまでもなく、政策が住宅購入を促した面は否定できないでしょう。

しかし、それが脅かされる事態となっています。金利上昇のリスクです。

日経新聞によると、住宅ローン利用者の73.9%が半年ごとに金利を見直す変動金利型を採用しているようです。

したがって、万が一日銀が金融政策を変更して住宅ローン金利が上昇したら日々の返済が増える恐れがあります。

もちろん金利が上昇したら繰り上げ返済をすればよいと言う人もいるでしょう。しかし、ほぼフルローンの借り入れを短期間で返済できる若い世代がどれほどいるでしょうか。

日経新聞の記事では金利上昇のインパクトを以下のように見積もっています。

MFSでは1%金利が上昇すると、全国の変動型の住宅ローン利用者の利息負担が合計で約1.1兆円膨らむと試算する。

。。。ですね

日銀が一生懸命金利を抑えようとしているのは、こういう私たちの身近なところでも深刻な問題が起こりうるからです。

レバレッジを効かせる際には金利は重要な要素の一つです。

家を買うときも株を買うときも金利の動向には気をつけなければならないと思いました。