「英語達人列伝II かくも気高き、日本人の英語 (中公新書)」というご本を読みましたので感想文を配信させていただきます。ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
私は一昔前の英語達人の伝記とか武勇伝みたいなものを読むのが好きで、それを読むと外国語学習のモゥティヴェイションがアップします。
この本は、英語の達人たちの英語習得法が紹介されており、まさに私の好みのど真ん中でした。
なかにはほんまかいな、とか、そこまでよくやるな、、と思える逸話があって勉強になりました。
以下8人の達人が紹介されています。
- 嘉納治五郎
- 夏目漱石
- 南方熊楠
- 杉本鉞子
- 勝俣銓吉郎
- 朱牟田夏雄
- 國弘正雄
- 山内久明
恥ずかしながら、本書を読むまで知らなかった達人もいました。
例えば、杉本鉞子は大正時代に英語で小説を書き、「偉大なるギャッツビー」と肩を並べるほどのベストセラーを書いていたそうです。
勝俣銓吉郎は「新和英大辞典」と「英和活用大辞典」を作り上げた英学者で、その業績で英学者として初めて紫綬褒章を受賞したことで知られています。
本書はⅡとなっていることからお気づきかもしれませんが、約20年前に出版された英語達人列伝 あっぱれ、日本人の英語 (中公新書)の続編です。
この時の達人は以下の通りです。
- 新渡戸稲造
- 岡倉天心
- 斎藤秀三郎
- 鈴木大拙
- 幣原喜重郎
- 野口英世
- 斎藤博
- 岩崎民平
- 西脇順三郎
- 白洲次郎
私はⅠも読みましたが、こちらもとても読み応えのある本でした。
個人的にはⅡの方が今に近いので馴染みやすかったですが、いずれも先人の情熱に圧倒されたのは言うまでもありません。
私たちは常時スマホを握りしめ、インターネットにつながり、いくらでも英語に触れることができるようになりました。
達人からすれば夢のような環境にいると思われるでしょう。
YouTubeには英語学習の動画が山ほどあり、学習方法についてもたくさんの情報があります。いや、あり過ぎます。
一方で、私たちの英語学習はそれほど捗っていないようにも見えます。
勉強方法を勉強するのに一生懸命になり過ぎて、肝心の英語の勉強ができていないのではないか。。
そんなツッコミを私自身にも日々入れたくなります。
英語を勉強するのに理想的な環境になったかもしれませんが、英語を勉強する集中力や精神力が低下してきているようにも思えます。
一つのことにじっくり向き合うことができなくなってきていないか。
そこで、達人の英語学習法をお手本にしましょう。
スマホも自動翻訳もない時代に生まれた達人の英語学習方法に触れることで、英語学習の本来あるべき姿を取り戻しましょう。
英語と対峙し、英語と格闘し、そこから得られる世界の広がりに感動するのです。
英語学習には色々なアプローチがありますが、達人たちが何か特別なことを実践してたというと必ずしもそうではありません。
達人たちは何か特殊な修業を行ったわけではない。当たり前の学習法を、とてつもない情熱と根気を持って実践しただけである。
彼らに共通する当たり前の学習法とはどのようなものか。それは、すでにご覧いただいたとおり、文学作品を中心とした英書をたくさん読む、辞書を引く、音読・筆写をする、目についた英語表現を書きためる、作文をする、ことあるごとに英語を使う、という多彩ながらも地道なものだ。
要はたくさん英語に触れて、英語を使おう。ということですね。
その情熱をどれだけ持っているか。
そして維持できるか。
英語学習に興味がない人も、達人たちのように自分が好きなことを極めていく姿勢や情熱には心打たれるものがあると思います。
自分の好きなことを大事にして一生続けていくことが大切だなぁと思うのでした。