私の職業は投資家です

「普段は何をされてるんですか?」と聞かれると、ドキッとする。

これは今までも書いたことのある問題です。

その度にどう答えようか迷うのですが、最近は「塾の先生をやっています」というと多くの人は安心することがわかってきたので、これを採用しています。

自分の職業を聞かれるたびにいつもモヤモヤしています。

どう答えればいいのか。何ベースで答えればいいのか分からないからです。

収入ベースで考えたら、投資または投機がメインになるので投資家だし(お金が減ることもあるけど)、自分の思い入れで言ったら著述業(Diarist)だし、一般的に言ったらフリーターです。

ちなみにフリーターと呼べるのは34歳までらしいので、厳密にはフリーターではなく、パートタイマーと言ったらいいのでしょうか。

かといって「何をされてますか?」と言われて、「アルバイトをしています」と言ったら、また相手を困らせてしまいそうなので「塾の先生(みたいなこと)をしています」に落ち着きました。

一般的なサラリーパーソンを辞めて困ることは、自分が普段何をやっているのかをいうときです。

「自分は何をしているのだろう、、、?」と、毎回まごついてしまいます。

先日見たテレビ番組でカラスの雑誌を特集してました。その会合でカラス好きの小学生の女の子がこんなこと言ってたんですね。

「カラスが好きと言うと、変な感じになるから、とりあえず猫が好き、と言ってる」

分かりますか?

私も今の自分の状況を説明するのがめんどくさいから「とりあえず会社員」とか言っておきたくなります。そうすればみんな安心するからです。

最近ではこれに改良が加わって「とりあえず塾の先生」になりました。

こうすれば相手が安心して、あまり突っ込まれた質問は来なくなります。

「塾の先生ですか、すごいですねぇ、ふーん。」くらいになります。

こういうことが時々発生するので、昔の知り合いに会う時はちょっと気後れしてしまうというか、あぁなんだかちょっとめんどくさいなぁ、と思ってしまいます。

特に私の会社員時代を知る人なんかは「え、なんでそんなことしてるの?もったいなくない?」という心の声が聞こえてしまいます。

これがセミリタイアをするものの宿命なのかもしれません。

こうして私は周りの人たちよりも早く歩みを進めてしまったおかげで、周りよりも先に少しばかり開けた平らな場所に辿り着くことができました。

一息ついてあたりをぐるりと見回してみると、そこには以前には目にしたことのなかった新しい風景が広がり、その風景の中に新しい自分が立っていた

気がつくと、僕は前よりいくぶんタフになり、前よりはいくぶん(ほんの少しだけですが)知恵がついているようでした。

職業としての小説家(新潮文庫)

こうしてどんどん孤独志向に拍車がかかり、人と会う機会がますます減っていっています。

個人的には一人の方が気が楽なので、これはこれでよい、と思っています。これがセミリタイアに必要な資質なのかもしれませんね。

どんな生き方がよいのかはひとそれぞれ、自分が何を欲しているのか、耳を澄ませてみることもたまには必要だと思いました。