最近は趣味のランニングで新しい目標に向けてトレーニングを積んでおります。その目標は、ギリシャで開催されるスパルタスロンというウルトラマラソンに挑戦するというものです。
スパルタスロンは、世界史で最も有名な戦いの一つ、紀元前490年の“マラトンの戦い” に由来します。古代の偉大な歴史家ヘロドトスは、アテネ軍の将軍がスパルタ軍に応援を依頼するため派遣したメッセンジャー、フェイディピデスが「出発の翌日に」アテネからスパルタに着いたとしています。
英国RAFの空軍中佐ジョン・フォーデンは、36時間以内に現代人がアテネからスパルタへの約246kmもの距離を走破することができるものだろうかと訝りました。そしてその答えを見つけ出すただ一つの方法は、ウルトラランナーである彼自身が歴史上のコースを実際に走ってみることであると考えたのです。
要は、アテネからスパルタまでの246kmのウルトラマラソンです。
制限時間は36時間です。
これは素敵なギリシャの旅になるのではないかと考えました。
私もフェイディピデスのように、アテネからスパルタへの伝令役になってみたいです。
もちろん誰でも出場できるわけではなく、基準をクリアしないとエントリーできません。
一般エントリー枠 国際レース基準
- 120kmレース(男性)または110kmレース(女性)において、12時間以内で完走したことがある。
- 100マイルレースにおいて、21時間(男性)または22時間(女性)で完走したことがある。
- 「Western States 100-Mile Endurance Run」において、24時間(男性)または25時間(女性)で完走したことがある。
- 24時間レースにおいて、180㎞(男性)または170km(女性)を記録したことがある。
- 200km~220kmのノンストップレースにおいて、29時間(男性)または30時間(女性)で完走したことがある。
- 「UltraBalaton(211km)」において、29時間(男性)または30時間(女性)以内で完走したことがある。
- 220km以上のノンストップレースにおいて、36時間(男性)または37時間(女性)以内で完走したことがある。
- 「Badwater」レースにおいて、39時間(男性)または40時間(女性)以内で完走したことがある。
- 「Grand Union Canal Race」において、34時間(男性)または35時間(女性)以内で完走したことがある。
- 「さくら道国際ネイチャーラン250km」において、36時間以内で完走したことがある。
- 「チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン・FUJI5LAKES SPARTA(120km)」において、12時間以内で完走したことがある。
- 48時間レースにおいて、280km(男性)または260km(女性)を記録したことがある。
このようにさまざまなレースがありますが、私は富士五湖ウルトラマラソンの120kmにエントリーしました。2024年4月のレースです。
120kmを12時間以内に完走すれば、スパルタスロンのエントリー権は得られます。
成功確率はなんともいえませんが、私は100kmのウルトラマラソンで10時間切りをしたことはあり、60kmだと5時間ちょっとくらいで走ります。
今から長い距離を走る訓練を積んでいけば、ギリギリ行けるのではないかと思っていますが、どうでしょうか。
ということで最近はけがをしない程度に走行距離を増やしてトレーニングを積んでいるところです。
ウルトラマラソンの面白さは、体力ももちろん必要なのですが、自己制御の成否にあります。
己を知り、いかに己の限界ギリギリの力を引き出すか。
レース中は、調子が良いと勘違いしてペースを上げすぎてしまったり、エネルギーや水分補給の仕方を間違えたり、寒さや暑さに対応できなかったり、走力とは関係のない要素が命取りになることがあります。
つまり、走力ではない部分で、成功するための要素がたくさんあるわけです。
これが楽しいんですね。
わかりますかね。
そして、自分の中にいる天使と悪魔との対話を楽しむ。
宗教の根源はこんなところにもあるのかもしれないと思いました。
なんかやばいことを言っていると思われるかもしれませんが、わかる人はわかるはずです。
聞こえないはずの声が聞こえてくる。
見えるはずのないものが見えてくる。
これもウルトラマラソンの醍醐味の一つだと思いました。