「NHKスペシャル 古代史ミステリー第1週 邪馬台国の謎に迫る」の感想文

「NHKスペシャル 古代史ミステリー第1週 邪馬台国の謎に迫る」を見たので感想文を配信させていただきます。ご査収のほどよろしくお願いいたします。

卑弥呼と三国志の知られるざる外交戦略ということで興味深く楽しめました。

最近の新たな発見についても知ることができ、シシド・カフカが卑弥呼役なのも個人的には好きでした。

最近日本史の勉強も始めて、卑弥呼をやったばかりだったのでちょうどよかったです。

NHKスペシャルはたまに面白い番組をやりますね。

日本人のルーツの回もかなり面白かったし、今回の内容とつながる部分もあります。

当時の中国大陸は戦乱の世で、そこから逃げてきた人が日本に大量流入したのではないか、と言う説が唱えられています。

これは有道理ですね。

まとめると、縄文人+弥生時代の渡来人+古墳時代の渡来人が日本人のルーツだと言うことです。

卑弥呼と同時代の古墳の年代特定や人骨のDNAの分析をしているのが興味深かったです。

有名な遺跡に纏向遺跡がありますが、ここで使われている建築資材の木材を使って年代測定を行うことで、卑弥呼とのつながりを探っています。

木材に含まれる酸素の同位体比を使って1年単位で年代特定ができるらしいのですが、纏向遺跡の木材はちょうど3世紀の時代に重なっていて、伐採されたのは231年ということまで分かりました。

卑弥呼が親魏倭王の称号を得た239年の8年前だったということです。

纏向遺跡にある箸墓古墳は240〜260年に作られたようで、これも卑弥呼が亡くなったとされる年代と重なります。

250年代にここまで大きな古墳を作って葬送しなければならない人物とは誰だったのか。

まさに卑弥呼だったのではないか、というお話でしたが、どうなんでしょう。

また、卑弥呼の時代の集落(青谷上寺地遺跡)から見つかった人骨のDNAを調べてみると、渡来系の遺伝子が濃くなっており、混血が進んだ証拠が見つかりました。

卑弥呼は中国の魏に使者を送ったことで知られていますが、その時の中国は魏・蜀・呉が鼎立する三国志の時代です。

その時代に大量の難民が発生し、その一部の人が朝鮮半島を経由し、日本に移り住んできた人たちがいたようです。

この時に大陸から鉄などが持ち込まれ、最新の武器が作られ始めますが、これが卑弥呼の敵国であった狗奴国との争いを熾烈なものにさせた一因とされています。

そこで、卑弥呼は魏に使者を送り、その後ろ盾になってもらうよう交渉をします。

倭国と手を組めば、魏のライバルである呉の背後に迫り、挟み撃ちにできると。

ほんまかいなと思いましたが、面白い仮説です。しかし、どうやって魏まで行って、どうやって交渉したんだろう、、という素朴な疑問はあります。

実は呉も倭国と接触していたようで、呉の鏡が兵庫県の古墳でも見つかっています。

このように、中国の三国志と卑弥呼は思ったよりも密接な関わりがあった(かもしれない)ということを今さら学びました。

魏が卑弥呼を倭を代表する王と認めたことで、さまざまな支援を受けることができたようです。

箸墓古墳のような巨大で堅牢な古墳を作るにはかなり高レベルな土木技術がないと作れません。

中国からの技術サポートがなければ箸墓古墳を作ることはできなかっただろう、と専門家は言っていました。

漢魏洛陽城では盛土という技術が使われていますが、古墳にもこの技術が使われているようです。

このようなことから、卑弥呼は魏と手を結んだことで先進的な技術を手にいれ、それを活用していったのではないか、、というお話でした。

しかし、卑弥呼と狗奴国の戦いが果たしてどうなっていったのかはいまだに謎に包まれています。

ところで、日本人のルーツの時もそうでしたが、古墳時代に日本人は大陸との混血がかなり進んだということが分かってきています。

縄文、弥生、そして古墳時代に新たなDNAが混ざり、現代日本人のDNAとほぼ同じようになったと言われています。

日本人のルーツに関する発見はとてもワクワクしますね。

気になる方は3月20日(水)午後11時50分から再放送があるようなのでご覧になって下さい。

NHKのホームページでもダイジェスト版を見ることができます。

次回のこれも楽しみです。