いったい君は何をしてるんだい

私が無職生活をしているときによく言われた言葉です。「いったい君は何をしてるんだい」と。もちろん一言一句同じ言葉を言われたわけではないのですが、同じようなことはいろんな人から言われました。

私は「何もしないことをしてる」「無職をしてる」「セミリタイア実験中」「遊び人」とか言うと、不思議そうな顔をして心配してくれる人がたくさんいました。女性を紹介してくれるといってくれた友人に私が無職であることを伝えたら、その話がなくなってしまうこともありました。この経験からわかったことは、31歳が会社を辞めて無職になることは、多くの人にとって普通のことではなさそうだということです。

私からすれば、日々辛い思いをしているサラリーマンの方が「いったい君は何をしてるんだい」なのですが、多くの人にとってはそうではないようです。私は少し怖くなりました。これはある種の洗脳だと思ったのです。

なぜ31歳が会社を辞めて無職であってはダメなのか。だれがそれを刷り込んでいったのか。これは幼いころからの刷り込み、つまり、教育がよくないのだと思います。

すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 (光文社新書)

すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 (光文社新書)

 

旧態依然として学校教育の中で、日本人は洗脳されている。やりたいことを我慢し、自分にブレーキをかけ、自分の可能性に蓋をすることを推奨する恐ろしい洗脳が白昼どうどうなされているのが今の学校なのだ。

引用元:すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 (光文社新書)

自分がどのような場所にいて、どのような人と一緒にいるかで思考が制限されてしまうことがよくあります。だから、定期的にその思考をリセットしなければ、それが凝り固まって元に戻らなくなってしまいます。そうなってしまうと、その矮小な思考力で物事を判断しなければならなくなり、あらゆる可能性摘み取ってしまいかねません。

私も会社員生活をしていて、思考が蝕まれてしまうことがあります。仕事が終わらない、上司から言われた仕事ができなくて気持ちが焦る、失敗したらどうしよう。。など悩めば悩むほどきりがありません。一歩引いて物事を考えればそんな悩みなんかどうしようもないくらい瑣末な悩みなのですが、その時はどうにもならず悩みまくっていることがあります。

たとえどんなに精神的にタフな人だったとしても、ストレスが積み重なってくると、余裕をもった思考ができなくなり、悪循環のループにはまってしまうことがあります。そして、それが解放されないまま継続していくと心身に悪影響が出たり、柔軟な思考ができなくなってしまいます。そのような会社員を何人も目の当たりにしてきました。こうして思考力が硬直した奴隷が誕生していきます。

何なんだ、会社というものは。なんでこんなに奴隷が多いのだ。奴隷養成工場か。このような疑問についてもホリエモンは学校が悪いと指摘します。

学校はもともと、子どもという「原材料」を使って、「産業社会に適応した大人」を大量生産する「工場」の一つだったのである。

引用元:すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 (光文社新書)

そういう意味で言うと、私は不良品だったのかもしれません。幸運なことに私にはいくらかの決断力が残されていました。このまま時間を無駄遣いしてはいけない、何か新しいことをしようと決意し、それからすぐに実行に移しました。あのまま続けていたら恐らく私は完全な奴隷と化していたかもしれません。

いったい君は何をしてるんだい。

たとえそんなことを言われても大丈夫。自分の頭で考えて自分の好きなように行動できている時点であなたの行動は間違いなく正しい。

もしそれができない、そしてできないことを正当化しようとしてるあなたこそ「いったい君は何をしてるんだい」です。

洗脳を解きましょう。生きたいように生きればよいのです。

すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 (光文社新書)

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