縄跳びの妖精たち

妖精たちが縄跳びを跳んでいた。

僕は今年の新しいチャレンジとして縄跳びを始めました。

ステイホーム中の運動として縄跳びが流行っていたので、それに乗じておじさんも始めたのがきっかけです。

おじさんがピョンピョン飛んでいるだけではちょっと面白くないので、三重跳びの自己ベスト更新を目指すことにしました。

最初は11回が限界で、この11回を跳ぶだけで翌日立ち上がれなくなりました。

それから14回まで回数を伸ばすことができましたが、そこからは行き詰ってしまいました。どうも力ずくで回数を伸ばしている感が否めない。

そんな跳び方では絶対に30回は達成できない、このままではだめだと悟り、フォーム改善に取り組みました。

 

まずはとにかく三重跳びの余裕度を上げることです。

それは二重跳びの分析から始まりました。二重跳びを100回以上跳ぶためには通常飛び位の余裕度がないと無理です。

コントローラブルな縄の回転、変幻自在かつ安定した跳躍、そして優しい着地です。

これらが全て整ったとき、持続可能な跳躍が実現します。

三重飛びも同じですが、求められるレベルが違います。

ほんの少しの乱れが成否を分ける。こんなシビアな世界に僕は魅せられました。

まず縄を高速回転させるために、縄に力を効率よく加えなければなりません。

三重跳びによくあるのは、縄の空回りです。

手首は勢いよく回せていても、その力が縄に伝わらずに縄が空回りしてしまうのです。こうしてコントロールを失った縄は大変危険で、自分でむち打ちの刑を処すことになります。

空回りを防ぐために、二重飛びで縄が手にかかる感覚を徹底的に養う必要があります。

そして、三重跳びができる高速回転を身に着けたら、次はジャンプです。

最初はとにかく大きめのジャンプで一回を飛べるようにします。

しかし、膝を大きく屈伸させてしまうようなジャンプでは後が続きません。

この飛び方でしか三重飛びを飛ぶことができないのは、縄のスピード不足と後述するリズム感が原因ではないかと思われます。

まずは二重跳びの高速回転で修練を積んでみてください。その延長線上に三重跳びの成功があります。

大きめの跳躍で二~三回跳べるようになってきたら、徐々にジャンプを小さくしていきます。どのくらいのジャンプなら三重跳びを飛べるのか、ぎりぎりのところを探るのが狙いです。

こうして必要最低限のジャンプが掴めれば、ジャンプの安定度が増して三重飛びを続けて飛びやすくなります。

これができると三重跳びの成功率が一気に上がってくるはずです。

しかし、そんな私も一時期スランプに陥りました。

 

今まで簡単にできていた三重跳びが全然できなくなってしまったのです。

なぜそうなったのか後で分析すると、一回の跳躍で縄を三回転させるイメージが全くできなくなってしまったのが原因です。

そんな辛い時期を乗り越えることができたのは、本田姉妹の縄跳び挑戦動画のおかげです。

ネタバレしてしまいますが、三人で二重跳び300回に挑戦して、一撃でクリアしてしまうというとんでもない動画でした。

さらに特筆すべきは、その後の三重跳びチャレンジです。

この跳躍の安定感、そして二重飛びから三重飛びのシームレスな流れ。

その神々しい佇まいは、妖精たちが縄跳びをしているのかと見紛うクラスです。

すべてのヒントはここにありました。

何というのでしょう。

一回のジャンプで何回転させなければいけないか、必要最低限のジャンプとそのリズムを完璧に熟知している感じがしました。

フィギュアスケートのジャンプと通じる部分があるのかもしれません。

そう、この三重飛びを飛ぶ時のリズム感がとても大事なのです。

二重飛びの音と三重飛びの音の違いが分かると思います。この三重飛びの時の音を頭の中で再現してから飛ぶと成功する可能性が高まります。

言葉で表現するのは難しいですが、ヒュヒュヒュン、ヒュヒュヒュンってなってるでしょう。

これを頭の中でイメージして、腕もちょっと連動させながらシャドー縄跳びをします。分かるかな、分かるよね。

三重飛びが飛べない人は、ヒュヒュヒュンの最後のヒュンのイメージができていないからです。このヒュヒュヒュンを身体に馴染ませると成功する確率が一気に高まります。

ヒュヒュヒュン、ヒュヒュヒュン、ヒュヒュヒュン。

分かりましたか?

これでなんか一気にブレイクスルーというか三重飛びの安定度が増しました。

今までとは別次元の領域に辿り着けたような気がします。

とはいえ、目標の30回にはまだ大きな壁が立ちはだかっています。

引き続き努力を重ねて、目標の30回を達成させたいと思います。