日常の中で、ふと、胸にぽっかりと穴が開いたような虚しさを感じてしまう。そういう人は、仕事や家族、友人といった人間関係によって、知らず知らずのうちに、疲弊してしまっている可能性があります。
冒頭は、SOLO TIME (ソロタイム)「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略であるからの引用です。
本書のメッセージは、様々な人間関係によってもたらされる心のモヤモヤを独りの時間を持つことで解消しよう、というものです。
間違ってたらごめんやけど。
実際に多くのサラリーマンは、人付き合いに疲れ果てています。
たまに、独りだけの空間に閉じこもりたいと思うことはありませんか?
会社に行くのが嫌というより、人に会うのがめんどくさいと思うことはありませんか?
私がそうでした。
個人差はありますが、人付き合いは、知らず知らずのうちにパワーを消費させてしまいます。
サラリーマンの辛さの一つは、いろんな人と毎日顔を合わせなければならないことだと言っても過言ではありません。
あなたも人付き合いに消耗していませんか?
ではどうすればいいのでしょうか。
人と会わなければいいのです。
気分転換に友人と会ったり、家族と会ったりすることもいいですが、思い切って一人で過ごす時間を取ってみるのはいかがでしょうか。
そうすることで、自身の内なる声に耳を傾け、本来の自分を取り戻すことができます。
ちょっとスピリチュアルな感じであれですが、私は感覚的にそういう時間が必要だと思っています。
本書では、ひとりぼっちがなぜ良いのか、いろいろ書いてありますが、その中で私がその通りだと思った箇所を一つ紹介します。ちょっとマイナーな所かもしれませんが、、
それは「モノと自分を感応させる」ということです。
え?
と思いましたね?私はこのことが感覚的にとても良く分かります。
サラリーマン生活を通じて、人ではなくモノと身体を同調させると、思いのほかリラックスできることに気が付きました。
心が落ち着かないときや気分がすぐれないときに一つの作業に集中するのです。
例えば、掃除をしたり、部屋の片づけをしていたら、いつのまにか精神が研ぎ澄まされ、気持ちがリフレッシュされたなんてことはありませんか?
私は他にも以下のことをしているときにゾーンに入った経験があります。
- 食器を洗う
- 洗濯物を干す
- そうじをする
- 靴磨きをする
適量の洗剤をスポンジに落とし、泡立て、食器を丁寧に洗う。水道水で泡が残らないようにきれいにすすいだ後、水が素早く切れる絶妙な傾きで静かに置く。
洗濯機のアラームが鳴り、絡まりあった洗濯物をほぐして、選別する。しわしわのパンツをパンパンとはたいて、ピンと伸ばし、洗濯ばさみで一つずつ丁寧に止めていく。
クリーナーで革靴の汚れを落とし、クリームを塗ったあとに、豚毛ブラシでやさしく仕上げる。
こんなことをしていると、いつのまにか作業に没頭しており、ちょっと前に抱えていたモヤモヤが吹き飛んでいることがよくあります。
そして、作業後の美しさに惚れ惚れする。
分かりますかね?
この経験こそ、モノへの同化なのではないかと思いました。
これだよ、これ。この感覚を忘れかけていたんだよ、となります。
現代人は、ヒトとの同化を意識するあまり、ヒトに疲弊しすぎています。
たまにはヒトではなく、モノへ自分を同化させてみてはいかがでしょうか。
具体的には、丁寧に食器を洗ってみたり、掃除してみたり、靴磨きをしてみたり。
終わったあとは、爽快な気分に包まれ、あぁなんか、私、生まれ変わった気分。まだまだ、いけそうな気がするわ、という気持ちになります。
ひとりぼっち戦略からかなり外れてしまった感じですが、そんなことはありません。
これらのことはひとりぼっちじゃないとできないからです。
本書ではこんな風に書かれています。
身体とモノとの感応を利用して心を落ち着けることを、仏教では「行」と呼びます。
行というのは、必ずしも滝行や断食のような、厳しい、本格的なものばかりではありません。拭き掃除もそうですが、日常生活のあらゆる場面を行にしていくことで、私たちは慌ただしい日常の雑事を、心落ち着けるエクササイズに変えることができるのです。
少し心が乱れたなと思ったら、独りになってみましょう。
何か落ち着かないなと思ったら、一つの作業に没頭してみましょう。
行です。
人づきあいに疲れているのは、あなただけではありません。
たまには、ソロ時間をしっかり確保してリラックスする時間も必要です。
ひとりぼっちが最強かはわかりませんが、私たちにひとりぼっちの時間が必要なのは間違いありません。