天才とは、周りの誰もが正気を失っているときに普通のことができる人である。世界は、たまたま誰もまだ気づいていない明白な事実に満ちている。
という文章がサイコロジー・オブ・マネー――一生お金に困らない「富」のマインドセットという本の序盤に引用されています。
最初の文はナポレオンで、あとの文はシャーロック・ホームズだそうです。
この言葉は資産運用だけでなく、生きる上で大切だと思いました。
私もサラリーパーソンをやっていたときに正気を失いかけていましたが、会社を辞める、という普通のことができたので、天才かもしれません。
さて、今回皆様にご紹介するご本はこちらです。
お金の心理学というのが直訳ですが、本のタイトルがサイコロジーオブマネーなので、そのまま訳すのはちょっと違う、と思ったのでしょう。確かに私もそう思いました。
本書は、お金と心の問題について書かれており、内容は多岐に渡ります。
「経済的自由」を勝ち取るための必読書
FIRE(早期リタイア)を目指す人、投資で資産を築きたい人、不安のない老後を過ごしたい人などが注目! 世界的な話題作がついに上陸!
★「目的のない貯金」ほど、価値が高い
★人の投資判断は、「いつ、どこで生まれたか」に影響される
★“十分な量”の資産を築くためのシンプルな方法
★ウォーレン・バフェットの純資産の95%以上は、65歳以降に得たもの
★投資の成否を決めるのは「全体の1%以下」の行動……
読めば、「お金の価値観」が劇的に変わる、全世代必読の一冊!
と帯に書かれています。
こんなこと書かれると逆に陳腐な感じがしていけませんが、内容はかなり良かったです。
書いてあることは、みなさんも知っているような当たり前のことばかりですが、お金を扱う人間の心にフォーカスしていた点に共感しました。
知ってるけどやるのはいつだってむずいんだよね。ということです。
本書に通底しているのは、経済的な成功は、運と行動である、ということです。
特に何を知っているか、というよりも、どのように振る舞うかが大事で、お金を貯めたり、増やしていく際に特に大きくかかわってきます。
経済的な成功は「ハードサイエンス(物理学や数学などの分野)」では得られない、というものだ。
経済的な成功は、何をしっているかよりも、どう振る舞うかが重要な「ソフトスキル」の問題なのだ。私はこのソフトスキルを「サイコロジー・オブ・マネー(お金の心理学)」と呼んでいる。科学や物理学のようなものではなく、複雑で測定が難しい人間の心理や行動が大きくかかわっているからだ。
例えば、VTIやVTに投資しておけばそこそこ儲かるから素人はそれがいいよ。後は現金とVTIの配分だけ気を付けな。という頭のいい人が考えた誰にでも実践できる投資ルールがあります。
多くの人が最初はそれをやってみますが、気づいたら謎のポートフォリオを作り上げている。VTIとの差はみるみる広がっていて、さらに奇天烈な投機に走って自爆する。
という経験がみなさまも一つや二つはおありのことと拝察します。
VTIにしていれば、、みたいなケースは枚挙に暇がありませんが、そういう経験を積み重ねて人は賢くお金を増やしていけるようになるのだと思います。
私はかねてから投資をする時は、精神的に落ち着けるポジションを取りましょう。と言い続けてきました。
個別株は精神的に落ち着かない。
あれも欲しい、これも欲しい。
買った株も売った株も気になってしまう。
だから全部買うのだ、と。
それが私にとって投資を長続きさせる秘訣でもあります。
サイコロジーオブマネーとはこういうことです。
なぜ長続きさせることが大事かというと、複利効果が偉大だからです。
あのウォーレンバフェットでも純資産の95%以上は65歳以上に得たと言われています。
だからバフェットがすごいのは、銘柄選びと言うよりも、長期に渡って投資を続けられたことである。と書いてありました。
確かにその通りです。
VTIだけでも粛々と投資を続けていけば複利効果で将来的には莫大な資産を築くことができるはずだと信じています。つまり庶民でも時間さえかければ富を築ける。
ぜひみなさんもお金と人の心について研究し、どうすれば自分が投資を長く続けることができるか考えてみてはいかがでしょうか。
理論も大事ですが、もっと大事なのは、何をし続けられるか、です。
完璧を目指す必要はありません。
そこそこイケてる方法を長期間続けることの方が大切だということを改めて本書から学びました。