米国株最強説は本当なのか

私は米国株が最強だと思ったので手元にあるほとんどのお金を米国株に賭けていますが本当にこれは正しいのでしょうか。日経新聞の記事を参考に点検してみたいと思います。

この記事では、代表的な株価指数であるMSCIで全世界株指数の算出が始まった1987末から、米国株と全世界株(除く日本)、新興国株の値動きをまとめています。

結論は、最近10年間では米国株のパフォーマンスが良かったけど、2000年代半ばまでは新興国のパフォーマンスが良かった時期もあり、今後どうなるかはわからん。です。

以下の図は1987年末を100とした時の米国株、新興国株、全世界株の株価推移です。

長期積み立て投資、米国株最強説をデータで点検: 日本経済新聞

これを見ると、米国株が一番良くて、次に新興国、最後に全世界株になっています。

新興国株が二番手にきているのが意外だと思いました。

しかしこのような比較は記事でも指摘されているように、スタート地点の株価によって見え方が大きく変わってしまうことに注意が必要です。

そこで、「米国株指数÷全世界株指数(日本除く)」と「米国株指数÷新興国株指数」の推移を比較することで、米国株が良い時と悪い時の違いを明確に見ることができます。

値が大きくなっているところが米国株の上昇率の方が大きいことを示しています。

長期積み立て投資、米国株最強説をデータで点検: 日本経済新聞

意外なことに米国株のリターンが新興国に負けている年代が結構ありました。全世界株に投資すると全体的には米国株の方が有利ですが、新興国が上がった場合にそのリターンを取り込めるので全体的にマイルドな感じになっています。

では3つの指数に積み立て投資したらどうなっていたのでしょうか。

それぞれ各時点まで10年間に投資をしたデータがあったので引用します。

長期積み立て投資、米国株最強説をデータで点検: 日本経済新聞

例えば、2007年まで10年間(1997〜2007年まで)新興国に投資していたらめちゃくちゃ儲かってましたよ、と言うことを示しています。

一方で直近10年間位は、米国、全世界株、新興国の順のリターンになっています。

米国株が最強と言っている人たちは最近のデータが好調なのでそう言っているだけかもしれないので気をつけましょう。

歴史を振り返れば新興国が良かったときもあるし、特定の地域だけが良かった時期もあるのです。

それでもやっぱり米国株だよね、と思うのであれば米国株を買えばいいし、今後はまた米国株以外が来るでしょ、と思うのであれば、全世界株に投資することでそのリターンも余すことなく享受できます。

私は米国株が好きで、今後も米国株が世界を牽引していく方に賭けますが、これが当たるかはわかりません。リターンは少し下がるかもしれませんが無難なのは全世界株だと思います。

このように、直近は米国株が最強でしたが、過去のデータを見ると年代によって最強指数は異なることがわかりました。

しかしながら、どの時代も今と完全に同じ条件であることはあり得ません。よって、過去のデータは参考レベルにとどめておくべきです。

その上で自分がどういう判断を下すか。

個人的には米国株が良さそうな気もしますが、迷われる方は全世界株で行くと良いです。

いずれにせよ、投資をすることが大切です。