勝ち組と負け組のサイコパス

閉塞感のあるこの世の中に風穴を開けて、爽快な感覚を与えてくれる。思い切ったことをどんどんやってくれて面白い。このブログを読んでいてそう感じることはありませんか。その理由は、私がサイコパスかもしれないからです。

サイコパス (文春新書)

サイコパス (文春新書)

 

サイコパスのことがよくわからなかったので、一冊本を読んでみました。特に印象に残ったのは3つあります。

  1. サイコパスはその辺にゴロゴロいる
  2. サイコパスには勝ち組も負け組もある
  3. サイコパスが人類を進化させた(かも)

本書によると、アメリカではサイコパスは人口4%だとか、0.75%いるだとか書いてあります。これによれば、0.75%を取ったとしても100人に一人位はサイコパスがいる計算になります。

サイコパスと聞くと、猟奇的な殺人犯のイメージが強いかもしれませんが、必ずしもそうではありません。大企業のCEOや弁護士、外科医といった大胆な決断を必要とする職業についている人にもサイコパスが多いという研究結果もあるそうです。だから、「サイコパス=犯罪者」という早計な考え方は危険です。

では、サイコパスにはどのような特徴があるのでしょうか。引用します。

  • 外見や語りが過剰に魅力的で、ナルシスティックである。
  • 恐怖や不安、緊張を感じにくく、大舞台でも堂々として見える。
  • 多くの人が倫理的な理由でためらいを感じたり危険に思ってやらなかったりすることも平然と行うため、挑戦的で勇気があるように見える。
  • お世辞がうまい人ころがしで、有力者を味方につけていたり、崇拝者のような取り巻きがいたりする。
  • 常習的にウソをつき、話を盛る。自分をよく見せようと、主張をコロコロと変える。
  • ビッグマウスだが飽きっぽく、物事を継続したり、最後までやり遂げることは苦手。
  • 傲慢で尊大であり、批判されても折れない、懲りない。
  • つきあう人間がしばしば変わり、つきあいなくなった相手のことを悪く言う。
  • 人あたりは良いが、他社に対する共感性そのものが低い。

引用元:サイコパス

いかがですか。私はいくつも当てはまるものがありました。みなさんの周りにも当てはまる人がいたりしませんか。このようにサイコパシー傾向が高い人は、私たちの身の回りには思ったよりも多くいることで知られています。

サイコパスには「捕まりにくい勝ち組」と「捕まりやすい負け組」がいるらしいです。両社の違いは、脳科学的に言うと、背外側前頭前皮質という部位の厚みに差があるようです。この部位は、計画性や合理性、論理性を司る領域で、ここが発達していると短絡的な反社会行動を取りにくくなります。

つまり、捕まりにくい「勝ち組サイコパス」は、この部位が発達しており、冷徹に「生かさず、殺さず、搾取する」といった冷徹な計算も可能ということです。一方、「負け組」は短絡的な行動に走り、犯罪を犯してしまいます。

「勝ち組サイコパス」は、もはや無敵で想像するだけで恐ろしくなりますが、そのような人がいたからこそ人類が進化したと言う人もいます。

今でもサイコパスが生き残っているはなぜでしょうか。その答えは、サイコパスが私たちの生存に有利だったからだというのです。

例えば、未開の地への移住を試みた先祖の中には、恐怖や不安を感じないサイコパスのような人たちが一定数存在していたことが想像できます。また、後世に名を残している歴史上の人物もサイコパスであったかもしれません。さらに私たちの祖先は、今よりも暴力的で残虐な世の中をくぐり抜けてきました。そのような世の中を生き延びるためには、人を殺したり、人を騙すことが今よりも必要だったに違いありません。人をたくさん殺した人が英雄だと思われていた時代もあったのです。

私たちは、そのような超過酷な生存競争をくぐり抜けてきたスーパーエリートであることを忘れてはなりません。とすれば、私たちの中にも一定数サイコパスのような人がいても不思議ではありません。そうでなければ、私たちはこの世に生まれていなかったかもしれないのですから。

サイコパスと聞くと、猟奇的な殺人犯というようなイメージを持ってしまいがちです。確かにそういう側面があるのも事実です。しかし、サイコパスは、身の回りにたくさんいるし、太古の昔から脈々と受け継がれた人類の特性の一つと言えるかもしれません。

サイコパス (文春新書)

サイコパス (文春新書)

 
診断名サイコパス―身近にひそむ異常人格者たち (ハヤカワ文庫NF)

診断名サイコパス―身近にひそむ異常人格者たち (ハヤカワ文庫NF)