有事のドルとトイレットペーパー

ドルが急上昇しています。

国際決済銀行(BIS)が19日に公表した世界の貿易量を考慮した名目実効レートによると、ドルは17日に2002年の高値を上回り、プラザ合意の翌年の1986年以来の高値をつけた。ドル高は18日以降も加速し、対円では19日に1ドル=110円台後半を付けた。

中略

いわゆる「悪いドル高」といわれる現象が起きるのは、08年のリーマン・ショック以来のことだ。基軸通貨のドルが調達しづらくなると、世界の銀行による投融資にも影響がでてくる。ヘッジファンドの運用にも支障が出て株価や債券など金融資産の価格変動を大きくするおそれもある。

この記事を書いている3月20日時点では、1ドル=111.2円位で推移しています。

つい先日一気に円高になったと思ったら、今度は一気にドル高に進みました。

もうなんだかよく分かりませんね。

有事の円買いなのか、有事のドル買いなのか。悪い円安、とか、悪いドル高とか。

これも株価と同じで事前に予測するのはなかなか難しいです。

なぜドル需要が増えるかというと、基軸通貨であるドル資金の確保が必要だからだそうです。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受け、基軸通貨であるドル資金を確保する動きが加速しているため

ドル、34年ぶり高値に 資金確保に世界が殺到 (写真=ロイター) :日本経済新聞

CNBCにも同様の指摘があったので引用しておきます。

Just like consumers started a run on toilet paper, companies and institutions all over the world have created a shortage of dollars,  as some players hoard more of the currency than they immediately need in response to fears about the coronavirus.

In times of trouble, all sorts of companies, banks and investors want to hold dollars. It is the world’s reserve currency and considered the safest.

トイレットペーパーを庶民が求めるように、企業もドルの確保に奔走しているようです。そして、一部の企業は必要以上に蓄えてしまっている。

ドルをトイレットペーパーのように喩えています。

 

世界中で資産が売られまくって、そのせいでドル需要が急増しており、雪だるま式にドル需要が高まっている。

Investors have been selling financial assets around the world and that has been fueling even more demand for dollars and has been sending currencies lower. The selling has also snowballed, triggering even more asset sales, and more need for dollars.

A global rush into the US dollar is driving extreme market moves and a temporary shortage

私の資産のほとんどは米ドルです。

もちろん大半は米国株なので当然ですが、余剰資金も生活費以外は米ドルにしています。

言い換えれば、我が家には普段使う以上にトイレットペーパーがある状況です。

このように有事のドル買いで、ほんとにやばい時にはドルの価値が上がるなら、当面必要な生活費だけ日本円にして、あとはドルに換えておいた方がいいのかもしれないと思いました。

有事のドル買い

有事のドル買いとは、戦争やテロなどの有事の際に、リスク回避先として基軸通貨である米ドルが買われること。

ただし、米国がテロの標的になったり、米国で事件が発生した際は、米ドルが売られるケースもあります。

有事のドル買い | マネー用語辞典 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア

アメリカがほんとにやばいことになるなら、ドルの価値が下がる可能もあるらしい。

その可能性もゼロではないよね。

結局、どっちに転ぶのか分かりません。。

しかし、日々のニュースを追っていくことは勉強になるので、引き続き状況をウォッチしていこうと思います。

トイレットペーパーが店頭から消えたら、ひとまずドルを買う、と覚えておきましょう。