「絶賛」の正しい使い方

異変に気付いたのは三年前位だろうか。仕事をしている時によく「絶賛○○中です。」という言葉を聞き、違和感を持った。絶賛の使い方がおかしくないか?

「絶賛○○中」の多用にイラついている人もいるかもしれない。

  • 絶賛残業中です。
  • 絶賛開発中です。
  • 絶賛遅刻中です。
  • 絶賛テスト期間中です。
  • 絶賛ダイエット中です。
  • 絶賛就活中です。
  • 絶賛ハマり中です。
  • 絶賛片思い中です。
  • 絶賛ケンカ中です。

それは絶賛つけないだろ?という例は枚挙に暇がない。

上記のような「絶賛○○中」というのを見ると、違和感を覚える。

あまりにも「絶賛○○中」が流行っているので、あなたと同じように天邪鬼の私は「だれが絶賛してるんだ」と心の中で突っ込んでしまう。

そこで今回は、絶賛の正しい使い方となぜ絶賛が絶賛されているのかについて考察する。

 

まず、辞書で「絶賛」の意味と使い方を調べたので引用する。

XD-SX20000の出番だ。

「絶賛」という言葉は、改造社を起こし、雑誌『改造』を発刊した山本実彦の造語であると精選版 日本国語大辞典 (第3巻)に書いてあった。「絶賛」は、生まれてからまだ100年も経っていないことになる。

口をきわめてほめること。この上ない称賛。

古川ロッパ日記-昭和ーー年(1936)五月二〇日「『忘れちゃいやよ』の如き絶賛である」

補注

(1)改造社を起こし、雑誌『改造』を大正九年(一九二〇)に発刊した山本実彦の造語

精選版 日本国語大辞典 (第3巻)より引用

雑誌『改造』は、大正から昭和にかけて日本で発行されていた社会主義的な評論を多く掲げた日本の総合雑誌である。志賀直哉の『暗夜行路』は、『改造』に連載されていた。

他の辞書も見てみよう。

この上なくほめること。絶大の賛美。「ーを博す」

広辞苑 第七版(普通版)

この上なくほめること。また、この上ない称賛。「批評家にーされる」

明鏡国語辞典 第三版

最大級のほめかたをすること。「ーを浴びる」

新明解国語辞典 第八版

このように「絶賛」は、「ほめること」を意味し、「絶賛を博す」「絶賛される」「絶賛を浴びる」のように使われることが分かった。

  • 「三十五歳の日記」は、三十代の年齢層から絶賛を博している。
  • 「三十五歳の日記」は、日本中から絶賛を浴びている。

「絶賛○○中」という記載は私の持っている辞書では確認できなかった。

ちなみに「絶賛」の対義語は、「酷評」である。

「絶賛○○中」の○○がこの上なくほめられる内容であれば、使い方としては悪くないのかもしれない。

しかし、酷評した方がよいものもある。

  • 絶賛残業中です。
  • 絶賛開発中です。
  • 絶賛就活中です。
  • 絶賛遅刻中です。
  • 絶賛テスト期間中です。
  • 絶賛ダイエット中です。
  • 絶賛ハマり中です。
  • 絶賛片思い中です。
  • 絶賛ケンカ中です。

残業も遅刻もテスト期間もこの上なくほめられるものではないし、片思い中なんてだれもしったこっちゃない。

やはりこれらの例は「絶賛発売中」の影響を強く受けているように思われる。

上記に挙げた「絶賛」の意味をもとに解釈すれば、この上なくほめられる商品が発売中だから、ぜひみなさんも買ってください。的な意味になるのだろう。

しかし、「今まさに○○している」という意味だけが独り歩きし、だれにもほめられていないのに「絶賛○○中」を使う人が多くなってしまったのではないか。

この「絶賛○○中」にえ??と思っているのは私だけではないようだ。

ということで、「絶賛○○中」は、全く「絶賛」や「ほめられること」とは関係なく、「とにかく今その真っただ中にいてちょっと大変なんだ」ということを伝える、現在進行強調形である説を提案する。

「絶賛○○中」という言葉を使うとイラっとする人もいると思うので、使い方には気を付けた方が良いだろう。

かくいう私はブログを絶賛執筆中で、英語を絶賛勉強中である。