全資産を株式に投資せよ 〜株式100%ポートフォリオについての考察〜

株式100%のポートフォリオについて考えてみます。

標準なアセットアロケーション理論では、金融資産を株式と債券に分配するのが基本とされています。私は、株式と現金の比率を調整することで、リターンとリスクのバランスを取るようにしていますが、果たしてどのような比率が自分に合っているのか未だによく分かっていません。投資関連の書籍を読むと、リスク資産と安全資産の割合を決める際には、損してもいいと思える金額を想定して、そこからリスクの標準偏差もにゃもにゃしてとかよく言われてますが、実際に身を持って経験しないと分からないと思います。

もし徹底的にリターンを追求するのであれば、株式100%ポートフォリオが最適だと思うのですが、実際どうなのでしょうか。中には、株式100%ポートフォリオを推奨する人も一定数いるようですが、これを採用するにはいくつかの条件を満たす必要があることが分かってきました。それではどのような条件を満たせばよいのか、まず下記の2つの書籍を参照し、考察していきたいと思います。

参考書籍① 黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 (講談社+α文庫)

本書では投資の基本原則のうちの一つとして次のように書かれています。

金融資産に比べて人的資本が圧倒的に大きい場合、全資産を株式に投資すべきである。

人的資本とは何なのでしょうか。本書によると、

経済学では、一人一人の労働価値を「人的資本(ヒューマンキャピタル)」と考える。私たちはこの人的資本を労働市場に投資して、日々の糧となる収益(給料)を得ている。自分自身の価値は、年収を長期金利で割り引くことで計算できる。例えば、年収500万円なら長期金利を2%で割り引いて、人的資本は2億5000万円だ。

例えば、人的資本として1億円のサラリーマン債券(利率5%と仮定し、毎年500万円の利息が得られる債券)を持っている人が、全ての金融資産2500万円を株式に投資したとしても、株式:債券比率は20:80です。つまり、人的資本を考慮すれば、金融資産を全て株式に投資しても、全体のリスクはそこまで高くないということです。少し飛躍してしまうかもしれませんが、サラリーマンは全資産を株式に投資すべきとも読み取れます。

参考書籍② The Intelligent Investor Rev Ed. (Collins Business Essentials)

本書では、下記条件を満たす一部の投資家には株式100%ポートフォリオが"make sense" と書いてあります。それではどのような条件なのでしょうか。英語で引用しますが、そんなに難しい内容ではないと思います。

  • have set aside enough cash to support your familly for at least one year.
  • will be investing steadly for at least 20 years to come
  • survived the bear market that began in 2000
  • did not sell stocks during the bear market that began in 2000
  • bought more stocks duting the bear market that began in 2000
  • have read Chapter 8 in this book and implemented a formal plan to control your own investing behavior.

2000年のBear marketが言及されてますが、イメージが沸きづらい方は、2008年のリーマンショックに置き換えた方が分かりやすいかもしれませんね。私はそうしています。上記内容を簡潔に言うと、当面の生活を支える現金を持っていること、20年以上投資出来る人、暴落にもびびらず株を買い増せる人、のようです。Chapter8が知りたい人は本書を読んでみてください。

このように、株式100%ポートフォリオを採用するには色々な条件や適正が必要だと言うことが分かりました。引き続き、株式100%ポートフォリオについて、他の書籍やブログなどを参考にしながら考察していきたいと思います。投資については、あくまでも自己責任でお願いします。

参考文献:

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 (講談社+α文庫)

The Intelligent Investor Rev Ed. (Collins Business Essentials)

 ※投資についての記載がありますが、投資をおすすめするものでありません。投資については自己判断のもと、自己責任でお願いします。