全資産を株式に投資せよ③ 〜株式100%ポートフォリオについての考察〜

株式100%のポートフォリオが最もリターンは良いことは多くの人が認めるところだと思います。同時にリスクも最も高くなるはずですが、長期投資が可能であれば、その限りではないかもしれません。株式が債券のリターンを上回る条件とは何なのか?

Stocks for the Long Run 5/EのChapter6"Risk, Retern, and Portfolio Allocation"にそのヒントが書いてあります。

Stocks for the Long Run 5/Eによると、幅広く分散された株式ポートフォリオは、長期的に見れば債券よりも優れたリターンが得られると書いてあります。本書では、1802年から2012年における1、2、 5、 10、 20、30年間の株式、債券、短期証券(Tresury Bills)の最高リターンと最低リターンが示されています。そのデータによると、株式は短期的にはボラティリティが高いものの、10年以上保有したケースでは、株式は債券よりも最低リターンが良い(リターンが高い)というのです。

※括弧内の数字は本文には記載されておらず、データの数字を私が記載したものです。

Stocks are unquestionably riskier than bonds or Tresury bills over one- and two- year periods. However, in every five- year period since 1802, the worst performance in stocks, at -11.9% per year, has been only slightly worth than the worst performance in bonds or bills(-10.1%). And for 10- year holding periods, the worst stock performance has actually been better than that for bonds or bills (Stocks -4.1% / Bonds -5.4%).

つまり、10年以上の投資期間で見れば、最悪のケースでパフォーマンスを比較すると債券の方が損をする可能性が高い、ということです。

次に株式リターンが債券リターンを上回る確率について見ていきます。

※括弧内の数字は本文には記載されておらず、データの数字を私が記載したものです。

For 10-year horizons, stocks beat bonds about 80 percent(78.2%) of the time; for 20-year horizons, about 90 percent(95.8%) of the time; for 30-year horizons nearly 100 percent(99.3%) of the time.

つまり、投資期間が長くなればなるほど株式のリターンが債券のリターンを上回る確率が上がるよ、ということが書かれています。

このように、株式は長期的に見れば(10年以上)、債券よりもリスクが低いということを1802年〜2012年のデータを用いて検証しています。そして次のように結論付けています。

the safest long-term investment has clearly been a diversfied portfolio of equities.

しかし、この著者も指摘しているように、あくまでもこれらは一定の期間(1802年〜2012年)のデータであって未来も同じことが当てはまるとは限りません。ただし、同時に今後の投資方針を決めるためには過去のデータを分析することは有効なことだということも言っています。大事なのは、自分で勉強し、自分の頭で考え、自己責任で投資を行うことだと思います。

 

※投資についての記載がありますが、投資をおすすめするものでありません。投資については自己判断のもと、自己責任でお願いします。