全面改訂 第3版 ほったらかし投資術 (朝日新書)がリニューアルして登場していたのでさっそく読んでみました。以前との違いはポートフォリオのリスク資産として、全世界株インデックスを推奨していたことです。
本書ではリスク資産をこのように定義しています。
最悪の場合1年後に3分の1程度損するかもしれないが、同程度の確率で4割位儲かる場合もあり、平均的には年率5%程度の収益率が見込める資産
これをどのくらい持つか、という問いかけをします。
例えば、3000万円をリスク資産に投じたら、1年後1000万円程度損するかもしれないが、1200万円程儲かる場合もあり、平均的には年間150万円位の収益が見込めることになります。
では、何に投資すればいいのか?
本書に明確な答えが書いてありました。
「リスク資産」は全て、全世界の株式に投資するローコストな(手数料の安い)インデックス・ファンド(「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)など)に投資する。
全世界株は、バンガードで言うとVTです。
ほったらかし投資術とは、全世界株インデックス(リスク資産)と現金や国債(無リスク資産)の配分を調整してポートフォリオを組んだらあとはほったらかせ、という術です。
とてもシンプルでいいですね。私もこの投資術を部分的に採用しています。
違うところは「最悪の場合1年後にほぼゼロになっているかもしれないが、当たれば10倍以上になる」スーパーリスク資産(レバレッジETF)に投機しているところと、リスク資産は、全世界株ではなく、全米株に投資している点です。
私も一時期全世界株のVTに投資していたこともありますが、全体の10%を占める新興国はリスクがあると個人的に思うこともあり、VTでも大半を占めていてパフォーマンスも良い米国株だけの方がいいのではないかと判断し、全米株(VTI)に投資することに決めました。
昨今のロシア株や中国株を見ているとやはり新興国は難しいなぁと思います。
最近読んだ「敗者のゲーム[原著第8版] (日本経済新聞出版)」では債券への投資を推奨しておらず、私もどちらかと言えばそっち派なので、ほったらかし投資術とブレンドして私なりの「敗者のほったらかし投資術」を編み出しました。
敗者のほったらかし投資術
生活資金以外は全て全米株インデックスに投資してほったらかす
ネーミングがよくありませんが、シンプルでまともな投資術です。
最後に、全面改訂 第3版 ほったらかし投資術 (朝日新書)では最後に特別鼎談ということで元バンガードに勤務していた金野さんを交えた「バンガード撤退後のインデックス・ファンドの未来」という章がありました。
その中で紹介されていたボーグルヘッズ10則が心に響いたので引用して終わりにします。
- 実行可能な計画を立てる
(Develop a workable plan)- 早くから、かつ定期的に投資する仕組みをつくる
(Invest early and often)- リスクの取り過ぎや、リスクを取らないことに注意
(Never bear too much or too little risk)- 分散
(Diversify)- マーケットタイミングを探らない
(Never try to time the market)- インデックスファンドを活用する
(Use index funds when possible)- コストを低く抑える
(Keep costs low)- 税金を抑える
(Minimise taxes)- シンプルな投資
(Invest with simplicity)- 航路を守る
(Stay the course)
リスクを取らないことに注意、というのがいいですね。