慶応大学文学部で2025年度入試より英検が利用可能になる

大学入試では、英検などの英語外部試験が使えるようになっていますが、慶應義塾大学は今まで使えないことで知られていました。しかし、2025年度入試よりそれが変わるそうです。

外国語の選択科目に「英語(外部試験利用)」を新設し,「中国語」を廃止します。「英語(外部試験 利用)」は実用英語技能検定(英検)CSE 総合スコアが 2500 以上(受験級および合否結果は問わない) であり,2025 年度入試の場合は 2023 年 1 月 1 日から 2024 年 12 月 31 日までに受験し,本学一般選抜 の出願期間中にスコアを提出できるもの(英検 2022 年度第 3 回実施分以降)を有効とします。外部試 験の得点は外国語の得点に換算します。「英語(外部試験利用)」を選択した場合,一般選抜の試験当 日は第 2 時限以降のみ受験します。

ちなみに今回対象になっているのは文学部のみで、以下のような試験科目と配点になっています。

  • 外国語(120分)150点
  • 地理歴史(60分)100点(日本史か世界史)
  • 小論文(90分)100点
  • 合計:350点

この外国語の部分に英検のCSEスコア2500点が使えるよという話です。

何点に換算されるのか、得点が高ければ高いほど高い点数に換算されるのか、などは分かりません。

「英語(外部試験利用)」を選択すれば、地歴から受験すればいいので、120分もの長時間の試験を受けなくて済むし、一定の得点が得られる安心感があります。これはかなり有利ではないでしょうか。

私も世界史と小論を頑張れば慶應おじさんになれるかもしれません。

ところで、私の教育事業は、英語外部試験を使って私立高校受験や大学受験を攻略するお手伝いをしており、これが思いのほかうまく行っています。

例えば、英検で指定された級に合格すると内申点が1〜2ポイントプラスで判定してくれる高校があったり、大学受験でも英語の試験を80%とか90%とか100%に換算してくれたり、試験を免除してくれたりする大学があるのです。

このように、大学入試でも英検で高得点とってしまえば、英語の試験を受けずに済む受験方式が増えてきました。

文系なら地歴と国語の勉強に集中することができます。もっと言うと国語の勉強はどうしようもない部分があるので、地歴の勉強のみに集中できるということもできます。

早稲田は一部の学部で英語外部試験が採用されています。

国際基督教大学でもケンブリッジ英検175かIELTS6.5以上で英語が免除になります。

慶応だけはこれまでその英語外部試験入試がなかったのですが、2025年度よりついに採用されることになったという訳です。

では、英検CSEスコア2500点はどのくらいのレベルでしょうか。

この得点に到達するには3つの方法があります。

  • 2級ほぼ満点(満点は2600点)
  • 準1級でほぼ9割(以下詳細を説明します)
  • 1級で1次合格で2次不合格(合格最低点は2630点)

もし2500点に到達することが目標なら、2級の満点が最も高校生にとって簡単で、メリットもありそうです。

私の調査によると、準1級で2500点を取るのは思いのほか難しそうだということがわかりました。

まず、準1級のスピーキングが550点位だと想定すると、リーディング、リスニング、ライティングで1950点くらい必要になります。平均で650点です。

これをネットで調べた素点とCSEスコアのデータに当てはめるとざっくりこんな感じです。

  • R:37/41(647)90%
  • L:25/29(651)86%
  • W:14/16(648)88%
  • 合計:1946点

もしライティングが得意で満点が取れるなら以下のようなプランも可能です。

  • R:31/41(602)76%
  • L:20/29(599)69%
  • W:16/16(750)100%
  • 合計:1951点

これは高校生にとってはかなり難しいと思います。もちろん帰国子女とかだったらこれくらいは余裕ですし、1級も合格できる可能性はあると思いますが、おそらくそういうレベル感でしょう。

海外経験のない高校生が準1級で2500点を目指そうとするのはかなり酷で、出題内容が大学入試レベルから外れてしまうものもあります。

このため、2級で満点を取る方向の方が簡単であり、現実的ではないかと考えます。その方が大学入試にも活かせる部分が多いです。

厳密にいうとスピーキングとライティングは満点が必須で、リーディングとリスニングは合わせて3ミスくらいまででしょうか。

なぜそうなるかというと、英検ではライティングとスピーキングが1点下がるだけでCSEスコアも大幅に下がるからです。特にスピーキングは1問落としただけで100点以上CSEスコアが下がることもあります。

いかがでしたか。

まとめると、

  • 2025年度入試より慶応文学部で英検利用入試が可能
  • CSEスコア2500点はかなり難易度が高い
  • 日本育ちの高校生なら英検2級で満点の方が現実的かも