作家の愛したホテル というご本を読んだので感想文を配信させていただきます。ご確認よろしくお願いいたします。
この本は「日経大人のOFF」に連載されていた伊集院静氏の紀行文なのですが、2009年に出ていた単行本が文庫になっていました。
書いてある内容は、2001〜2007年と結構古いのですが、今読んでも楽しめます。
これが紀行文の魅力なのかもしれません。
ホテルの部屋は奇妙な空間である。住いではないのに鍵を受け取って中に入った瞬間から、その人の人生の一部となり、時間、感情がそこに揺れ動く。上質のホテルと出逢うことは上質の人生の時間を得ることにつながるのかもしれない。
ホテル住まいをしながら書いた日記のような紀行文が私の性に合いました。私もホテル好きなので。
私が気に入った箇所を本書からいくつか引用します。
大人の男が仕事なり、何かの用があって旅に出かけて、少しだけ時間が余ったとき、何をするか。
その時間の過ごし方に、案外と、その人の生き方なり、人生の歩き方が出るのかもしれない。
作家、城山三郎は長年の取材の旅を続けるうちに”無所属の時間”の大切さを知るようになったと語っている。妙な表現だが、読んで字の如く、自分に与えられている時間の中で、たとえば仕事に属さねばならない時間。知人、友人と関わらねばならない時間。家族や恋人がいるのなら彼女、彼等に費やさねばならない時間……など私たちの時間は何かしらに属している時間がほとんどなのだろう。
何にも属さない時間、”無所属の時間”の大切さを語る作家は、やはり大人の男に必要なものが何たるかを考えていたのだろう。
こんなことを言いつつ、伊集院氏はカジノに行きまくっていたようなので好感が持てました。
私も旅をしながら、そこにカジノがあるといっちゃうんですよね。マカオ、シンガポール、フランス(シャモニー)。
私の生き方=カジノだったんか。と読んでて思いました。
この「無所属の時間」っていいですね。
言葉にしたことはなかったけど、私はそれが好きだから、今のような生活を送っているのかもしれません。「無所属の時間」が比較的多い生活。
これまであまり紀行文を読まなかったのですが、このジャンルも結構面白く、私も旅をしたらもっと紀行文を書いておくべきだったと思いました。
旅のことは日記にも書きますが、不十分でした。
もっとたくさん書くことはあって、あれも書こう、これも書こう、と思っているうちに、めんどくさくなって、放置して、記憶が薄れて、書かなくなる。
このだらしないスパイラルによって私の紀行文は失われました。よく考えてみるともったいないことです。
「こんなの書いてもつまらないかもな」みたいな内容でも(いつもそうだけど)、些細なことでも、書いておけば、後で読んだら面白かったり、変化を感じられたり、私自身が、旅のことを思い出せる、と言うメリットもあります。
そういう意味でこの本は勉強になりました。
ということで、今年の目標は、紀行文日記をもっとたくさん書く、としたいと思います。
紀行文は意外と面白い時間を作ってくれる。それが五十年前、数百年前に執筆されたものであっても、訪ねた土地には紀行文の中で旅人が発見したものが残っている場合が多い。
