英検1級は役に立つのか?単語が難しすぎて役に立たない、など1級にまつわるいろいろな批判がありますが、個人的には英検1級は役に立つと思っています。
その理由は以下の3つです。
- 「語彙は日常レベルである」
- 「論理的思考を養うことができる」
- 「4技能の高レベルな試験である」
それぞれ説明していきます。
一つ目の理由は、英検1級の英単語を覚えておくと、いろんなジャンルの英語を読め、英語の映画やドラマを楽しめるようになります。
1級の難しいところは、大問1の語彙問題です。確かにかなりレベルが高いのでそこまで覚える必要ありますか?という批判も理解できます。
しかし、様々な洋書を読んだり、動画を見たりして分かったことは、一級レベルの単語は日常的に使われているということです。
単語が難しすぎる批判をする人は、恐らく日常的にあまり英語に触れる機会がない人ではないでしょうか。
例えば、disseminate「(情報・知識など)を広める」というのは「24」で出てきましたし、affidavit「供述書」も「SUITS」で頻繁に出てきます。
他にも例はないのかと言われると困るのでやめてほしいのですが、ひとつ言えることは、これらの単語は一般的な視聴者に向けて作られたドラマで使われているということです。そのコンテンツに難しすぎる単語を使うとは思えません。
ですから、英語のドラマを楽しむためにもこのような単語を知っておく必要はあります。
自分で使えなくてもいいとは思いますが、見たり、聞いたりして意味が分かるようにしておくと、英語で理解できる範囲がぐっと広がるでしょう。
2つ目の理由は、論理的思考を身に着けることができるからです。
1級では与えられたトピックについて、200~240ワードの小論文を書く問題があります。また、二次試験では2分間のスピーチをする必要があります。
この試験では、理路整然と自分の意見や具体例を説明する論理的思考が求められます。
私は中学校や高校で論文を書く指導を受けたことがありませんでした。このため、英検の受験を通じて初めて、論理的な文章の構成を学ぶことになったのです。
確かに大学入試でも小論文を出題する大学はあります。しかし、高校生の多くが受ける一般的な試験ではありません。
私のように自分の意見を理路整然と述べる訓練をしたことのない学生は日本にたくさんいるはずです。
ところが、英語などの外国語を使ってビジネスをするケースでは、論理が明確でないと話が通じません。
どんなにすばらしい英語を駆使できたとしても、自分の考えを伝えることができなかったり、相手を説得できなければビジネスにならないのです。
1級の試験対策を通じて、「英語で論理的に説明できる能力」を養成する貴重な機会を得ることができます。
最後に、英検は「読む、書く、聞く、話す」の4技能の習熟度をバランスよく測るテストです。
TOEIC高得点者に向けられるありがちな嫌味として「TOEIC高得点でも喋れない」というのがあります。
ぐさりと来ます。
L&Rのテストであれば、リーディングとリスニングしかテストしないので、スピーキングができないというのは十分ありうるでしょう。
しかし、1級ではライティングもスピーキングの試験もあります。
また、各技能のスコアが均等配分されているので、バランスよく得点できないと合格できない仕組みになっています。
したがって、英検1級に合格できれば、英語の4技能をバランスよく高レベルで運用できることを示すことができます。
このように英検1級の勉強は、英語の守備範囲を広げ、論理的思考を身に着け、かつ4技能バランスよく鍛えることができるので役に立つと考えています。
英語を使って情報を収集する、エンターテイメントを楽しむ、より幅広い交友関係を築く上で大きな武器となるでしょう。
英語で情報収集できるようになれば、世界は驚くほど広がっていくと信じています。