給料を上げなくてはいけないと思っている時点で、あなたは負けている。
このタイトルと冒頭の言葉は小飼弾の超訳「お金」理論からの引用です。
ひどいこと言うな、と思ったかもしれませんが、私は心の中で思っているだけで、実際に言っているのは著者の小飼弾さんです。
とても良い本でした。アマゾンから解説を引用します。
「ブラック労働者」をやめましょう。「お金を増やさねばならない」思い込みを捨てましょう。働いたら負け。もう労働には価値はない。理想は、誰でも自由に生きて食べていける世の中。なのに、いつまでも「お金」に振り回されるのはなぜか――。この本では、実家の借金返済を経てお金の本質を学び、成功を収めたブロガーであり投資家が、世界を動かしているお金の仕組みと、お金との付き合い方をやさしく解き明かします。
本書は、お金を通じて社会の仕組みを理解するのに最適な本で、主に以下のことについて分かりやすく書かれています。
- バランスシートの重要性
- お金とは何か
- 会社の仕組み
- 賃金と税金の仕組み
- お金の配り方
その中の一部に労働と奴隷の話が出てきます。
労働者を奴隷なんて言い過ぎじゃないか、と思うかもしれませんが、本書を読むと、やっぱり労働者は奴隷かもしれない。となります。
「給料を上げて」と言うのは、「どうやったら、ただの二等軍曹から奴隷軍曹や奴隷将校になれますか?」と聞いているようなものです。奴隷軍曹だろうが奴隷将校だろうが、待遇に多少の違いがあるだけで奴隷であることに変わりありません。
働いている人の中には自分の仕事に誇りを持っていて、仕事を通じて社会に多大なる貢献をされている方もいらっしゃいます。
一方で、毎日嫌々働いていて、こんな奴隷のような生活が嫌だと思っている方もいらっしゃいます。
私はどちらかと言えば後者の人間でした。
私はサラリーマンをやっていると体調が悪くなるので、サラリーマンを辞めざるを得なかったタイプです。
アレルギーなのか、体質なのか、よくわかりませんが、サラリーマンを辞めたら体調も頭もよくなり、足も速くなったので、やっぱりサラリーマンが原因だったのではないかと推測しています。
一度食べ物などでアレルギーを起こした人がそうであるように、私はもうサラリーマンはできないと思います。
だから、いろいろ勉強してサラリーマンをせずに生きていく方法を模索しています。
幸運なことに私は、サラリーマンを辞めることに成功しましたが、これは大変に難しいことだと気付きました。
で、結局はみんな奴隷でいることは嫌だけど、奴隷でいることにも一種の心地よさを見出しているのではないかと思いました。
本書にも同じことが書かれていました。
でも、僕から見ると、奴隷状態から本気で抜け出したい人は案外少ないですね。慣れれば奴隷というのは結構快適な状態でもあります。
中略
日課があるのは楽なんです。いつ何をするのか考えなくてもいい。指示されたミッションをルーチンでこなしていくのはけっこう快適だと今さらながらに気づきました。
お駄賃しかもらえなかったとしても、日課があるのであればそちらのほうがいいという人もいる、というかそちらのほうが多いかもしれません。
私は今までサラリーマンをやってお駄賃を貰っていたのですが、会社からお駄賃をもらえなくても自分で生活できるようになりたい、と思い始めました。
そのためにどうすればいいのか。
私なりの方法はこれです。
小飼弾の超訳「お金」理論によれば、金の卵を生み出すガチョウを所有して、世話は他の優秀な人に任せればいいようです。
会社という仕組みは、まさにこうしたガチョウの1つです。株主というのは、このガチョウを所有する権利を持っている人ということになります。
株主からガチョウの世話を任された経営者は、ガチョウがよい卵をたくさん産むように小屋をきれいにしたり、栄養のあるエサを与えるわけです。価値ある卵を産むのはガチョウであり、所有者は何もしていませんが、利益を得るのは所有者です。
ガチョウの世話をするのではなく、そのガチョウを所有することが大切なんですね。