円キャリートレード復活の兆し

円安ドル高に伴い、関連ニュースがたくさんありますが、円キャリーの復活がさらに円安を加速させるという記事がありました。

円を売り、ドルなどで運用する「キャリー取引」が次の円安の推進役になると衆目は一致する。20年ぶりの安値を付けた円安が今後さらに勢いを増す可能性もある。

キャリー取引で売る通貨は低金利、かつ変動率が安定している通貨が好まれる。金利差による収益以上に為替差損を抱えることを避けるためだ。米国と各国の3カ月金利差を各通貨の予想為替変動率で割った「キャリー・リスク比率」をみると、円の「魅力度」はスイスフラン、ユーロに続く3番手だ。

私個人も結構前から安い円を売って、利回りの良いドルで運用してその利ザヤを稼ぐというのはやっていました。

一昔前にSBIネット銀行が期間限定で一か月もののドルの定期預金を年利10%位でやっていたんですよね。

上の日経新聞の記事でも書いてある通り、日本円の変動率は比較的安定していますから大体もうけられます。

残念ながらそんなお得なキャンペーンはしばらく行われていませんが、そのチャンスを常にうかがっておく必要はあります。

この記事を書いている時点で私が口座を開設している銀行では新生銀行がまぁまぁ良い利率のドル預金を提供しています。

  • 1年もので3.00%
  • 1か月もので4.00%(日本円からの預け入れ限定)

では、試しに1か月ものでどのくらい儲けられるか計算してみましょう。

条件

  • 10,000ドル
  • 1ドル:133円
  • 為替コスト:片道7銭(新生プラチナ)

円からの預け入れ限定で注意すべきは為替コストです。

銀行側はこの為替コストを稼ぐためにキャンペーンをやっていると思われますが、これが高すぎると利ザヤを取りにくくなるので、為替コストが安い銀行を利用すべきです。

例えば新生銀行の場合、10,000ドルを1か月ものの定期預金に預け入れると片道700円(1ドルにつき7銭だから70000銭)のコストがかかります。また円に戻すことを考えると往復で1,400円です。

問題は、年利4%を月利にした際にどのくらい利益が得られるかです。

税引き後の3.1784%を12で割ると0.265%となります。

10,000ドルを預けて一か月後に得られる利子は26.5ドル、円にすると3,525円です。

ここから片道の為替コスト700円を引いた金額の2,825円が純利益となります。もしまた円に戻したいならさらに700円かかるので2,125円となります。

したがって、為替変動がなかった場合、10,000ドル(133万円)を一か月ものの米ドル預金で運用すると、約2,825円の儲けとなります。

合ってますか?

このくらいの金額ならほんの少しの為替変動で一気に吹き飛びますが、どうとらえるかは皆様次第というわけです。

将来的にはさらに円安になると予想する人、手元に日本円がたくさんあってもっとドル資産を増やしたい、という人にはまぁそんなに悪くないトレードにはなるかと思います。

このように為替コストの安い銀行の外貨預金キャンペーンに注意しておくとお得なドル転チャンスが見つかるかもしれません。