男湯・男性トイレに女性清掃員はなぜOK

私は銭湯の脱衣所で女性清掃員にスマホをいじっていたのを注意されてからこのことを根に持っています。悪いのは自分なのは承知していますが、なぜ銭湯やトイレに女性清掃員がいるのか、そのとき疑問に思ったのです。ようやくこのトピックをNHKが取り上げてくれたので紹介します。

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この記事は以下の高校生による投稿から始まります。

「部活帰り友達と銭湯に行きました。その時服を脱いでいたら目の前を女性の従業員が横切りました。友達と『中にいたら嫌だね』と話していて、頭を洗い始めていたら横から女性の従業員が来て僕の所にあったシャンプーを詰め替え始めました。本当に恥ずかしかったです。これを逆の立場で想像してみてください。こんなことがあったら世間では大炎上ですよね?男子トイレもそうです。男性がトイレで用を足している時に後ろには女性がいる。なぜ男性は我慢しなければならないのでしょうか」

まさに私と同じような体験をしていて、それを疑問に思ったそうです。私自身もこの記事を書いている前日に銭湯に行きましたが、そこでも女性清掃員がいました。

女性差別がよく問題になりますが、男性差別があります。男湯、男子トイレに女性の従業員が入ってくることです。その逆は許されないのに、なぜこの件は許されるのでしょうか?

いや、実に鋭い指摘。

私と同じレベルの思考をすでに高校生が行っています。

まず、この記事のタイトルにある「なぜOK」に対する答えは記事を読んでもわかりませんでした。

その原因となりうることとして、男性スタッフの不足が挙げられています。銭湯には女性スタッフが多くて、男性スタッフが少ないため、男性スタッフを雇うのはコストがかかるということでした。

また、男性の方は、女性が男性浴室を清掃していても気にならない人が多いというのも理由の一つかもしれません。

このNHKのニュース記事では、男湯を女性清掃員が掃除することについて、参考になるデータがいくつかあったので引用します。

男性浴室清掃に入るスタッフ 118施設回答
男性56%(66施設)
女性44%(52施設)

銭湯に勤めている70代の女性従業員から「おばあさんでも異性の風呂を掃除するのは緊張していた」

アンケートを取った施設の半数近くは女性が男性浴室を清掃していることがわかりました。

男性脱衣所・浴室の清掃は(男性1348人に調査)
▼男女気にしたことがない 50%(674人)
▼男女どちらでもいい 20%(270人)
▼できれば男性従業員で行う 25%(337人)
▼必ず男性従業員で行う 5%(67人)

このデータによると、男性浴室の清掃は、70%の人が男女どちらでもいいということがわかりました。

これが男性浴室の清掃は女性が行ってもいる理由の一つになっているのかもしれません。

これの女性版でもアンケートを取ってもらいたいですね。

どんな結果になるのでしょうか。

私の予想では「必ず女性従業員で行う」が100%近くになると思います。

もしそうなるとすれば、この違いはなぜなのか興味深いです。

本能的にそうなっているのか、環境的にそういう習慣が身についたのか。

実験をしたことがある人がいたら論文を読んでみたいと思いました。進化心理学の分野になるのでしょうか。

このニュース記事の結論として以下のことが書かれています。

NHKに寄せられた男子高校生の投稿をきっかけに取材を進めてみると従業員の確保の問題や、人件費といった課題に加えて、「男性なのに気にするな」といった風潮や「清掃は女性の方が…」といった先入観が壁になっていることが見えてきました。
利用する側も働く側も、心地よく安心できるようになるにはどうしたらいいか、こうした声を受け止め変わっていく必要があるのではないかと感じました。

男性も差別されていることが身近なところにあって、「男だからいいでしょ」という風潮がそれを是正する動きを抑えこんでしまっていることもあるのかもしれません。

男性も女性も生きやすい世の中をみんなが協力して作っていければいいなと思います。